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ラ・ラ・ランドを気になるカレと観るのはng

【うるおい女子の映画鑑賞】『ラ・ラ・ランド』を“気になるカレ”と観てははいけない理由

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「女性」の視点で映画をみることは、たとえ生物学的に女性じゃなくても日常では出会わない感情が起動して、肌ツヤも心の健康状態もよくなるというもの! そんな視点からオススメ映画を紹介する【うるおい女子の映画鑑賞】。第37回は、本年度のアカデミー賞を賑わし、大ヒット公開中の『ラ・ラ・ランド』(2016年・米)を紹介します。

 

 

アカデミー賞での珍事件すら追い風に変えて(?)、大ヒットしている『ラ・ラ・ランド』。しかしこれほど、観る人によって感想も評価もバラバラな作品も珍しいのかな、と肌で感じています。まだ観ていない方はぜひ、映画館に足を運んだ後に読んでください(※以下ネタバレ含みますので)。

 

ちなみにこの作品、爽やかなミュージカル映画だからといって気になるカレと観に行くのは避けたほうが良さそう。本気なら本気なほど、恋愛経験があるならあるほど、です。

 

 

 

|ストーリー

 

女優の卵ミア(エマ・ストーン)はワーナースタジオのカフェでバイトをする傍ら、オーディションに落ちまくり。自分より華のある美しい女性たちが世界中から集まるハリウッドで、すっかり意気消沈しています。泣きっ面に蜂な彼女の耳に、哀愁に満ちたジャズを奏でるビアノの音色が届きます。吸い込まれるようにジャズバーに入ると、客のほとんどがまともに聞いていない中、雇い主の意向で弾きたい曲も弾けずに草草としたジャズピアニストセバスチャン(ライアン・ゴズリング)がそこにはいました。ふたりは恋に落ち、それぞれの夢を追いかけるけれどーー。

 

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|120分間の壮大なフリ

 

実はミュージカル映画が苦手な私には、いくら大好きなライアン・ゴズリングが主演でも、全128分のうち120分は、やはりちょっとつらかったです。踊り歌うライアンを観つつ「ウソでしょ?本気じゃないでしょ?」という気持ちでソワソワむず痒かったのです。

 

それなのに、終盤8分くらいなぜか号泣していた自分にびっくり。こんな風に「今なんで泣いてるんだろう?」と思いながら泣くという映画体験は記憶を辿る限りないので、「あれ?あれ?!」と軽くパニック状態でした。私と同様に、この最後数分に涙した女子は多いのではないでしょうか。そしてエンドロールでようやく理解しました。この映画はこの数分を描くために撮られたのだ、と。

 

そしてこの数分ゆえに、パートナーや気になるカレとの鑑賞をオススメできないのです。

 

 

 

|恋愛のタラレバ走馬灯

 

この最後の数分はいわゆる妄想シーン。「あの時もし別れなかったら今頃わたしたちは結婚して、子どももいて…」とタラレバ走馬灯なのです。スピード感があり鮮明なこのタラレバ妄想、ある程度大人で恋愛経験を積んできた男女になら、誰でも一度は経験があるのではないでしょうか?

 

元カレが結婚したとか、元カノに子供が生まれたとか、そんな知らせがうっかり耳に入ったときなんかに、頭を駆け巡るあれ、です。それをここまでエモーショナルに、頭ではなく心で体験させてくれる『ラ・ラ・ランド』は非凡な映画だと思います。そして、このシーンを観て抱く感情は、決してパートナーに見せてはいけない種類の、背徳感のあるものだと思うのです。

 

特に男性にとっては、切なさ故に美化され、たまらなく愛おしい妄想となり得て、もはやそれは聖域ともいえるほどに高尚なものになっている場合も…(恐ろしい!)。余談ですが、劇中、ライアン・ゴズリングがこの妄想の高尚さを、最高すぎるお得意の切ない表情で素晴らしく表現しています。こんな風に男のセンチメンタリズムを体現してしまうライアンはやはり最高なのです。

 

 

 

なので、うっかりカップルで観に行って、隣の席で涙を流された日には、見えない元恋人との大恋愛の影がチラつき、モヤモヤしてしまうのが関の山。やめておきましょう。

 

 

女友達同士かひとりで鑑賞、そしてああだこうだ語り合うのが楽しい映画です。美しい映画も感動シーンの背景まで考えると色々な感情も垣間見えて不思議ですよね。

 

 

text:kanacasper(カナキャスパ)(映画・カルチャー・美容ライター/編集者)

編集を手がけた韓国のカリスマオルチャン、パク・ヘミン(PONY)のベストセラー メイクBOOK待望の第2弾『わたし史上いちばん”盛れる”♥ 秘密のオルチャンメイクⅡ』(Sweet Thick Omelet/DVD付/¥1,500・税別)が好評発売中。


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