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まるで“お風呂上がりのご褒美アイス”のような背徳感も。あなたの初恋はどんな味ですか?

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【うるおい女子の映画鑑賞】 第44回『若葉のころ』(2016年・台湾)

 

「女性」の視点で映画をみることは、たとえ生物学的に女性じゃなくても日常では出会わない感情が起動して、肌ツヤも心の健康状態もよくなるというもの! そんな視点から今回は台湾『若葉のころ』(2016年・台湾)を紹介します。

 

 

当たり前ですが“初恋”は人生に一度きり。多くの人にとってそれは、遠くからただ見つめているだけで終わった恋だったり、当って砕け散った恋だったり、思春期同士で不器用に傷つけあった恋だったり、すこし苦いけれどだからこそ愛おしいという、ビタースイートなものなのではないでしょうか。

 

 

 

|ストーリー

 

17歳の女子高生バイ。彼女の両親は離婚していて母親と祖母と女3人で暮らしていましたが、母親が交通事故に遭い意識不明の状態となってしまいます。時を同じくして、彼女には淡い恋心を抱いていた同級生がいましたが、彼と自分の親友との微妙な関係を知り心を痛めています。

 

出典:映画『若葉のころ』公式Facebookページ

 

バイはある日、母親のパソコンに未送信のメールを一通見つけます。それは、母親が17歳の時の初恋の相手に向けたメールでした。思春期特有の苦しみの最中にいるバイの心はいつしか、時間を越えて母親のそれと重なり、散り散りになっていた想いが初夏の青い匂いとともに優しく交わっていきます。

 

 

 

|誰にとってもドラマチックで愛おしいもの

 

20代後半にもなってくると、交際期間の短かった相手の血液型や生年月日はおろか「フルネームすら出てこない…」などという恋多き女性もいるかとは思います。ですが、初恋だけは不思議なほどに「そこ?」と突っ込みたくなるような詳細までも覚えているものです。

 

彼が使っていた安っぽい財布のマジックテープの音だったり、一緒に行った花火大会でもらったうちわの柄だったり、雨の日の学食の湿った空気だったり…。初めての感情に一時が万事で、とにかくすべてがドラマチック。なので、その恋の結末がどうであれエバーグリーンな強烈な記憶として美化されて脳に刻まれます。

 

 

 

|初恋だからこそ感じる“背徳感”

 

脳内の不可侵領域である”初恋”はある意味”聖域”のようなもので、恋人間や夫婦間では触れられないからこそ絶対的なものです。だからこそ、初恋という言葉には、どこか“背徳感”が漂うもの。

 

出典:映画『若葉のころ』公式Facebookページ

 

何気ないきっかけでふと思い出すと、ふわりと甘い香りが立ち込め、傷ついた心を癒してくれたという経験がある人も少なくないのでは? 今の彼氏や夫に申し訳ない気持ちになりながらも、自分を絶対的に肯定してくれる優しくて甘い記憶。

 

初恋がやっかいなのは、自ずとそこには「若くて可能性に溢れている輝く自分」がいるために、余計に眩しく見えてしまうものなのだから。「ダメダメ」と思いながらも、彼氏との喧嘩、日々の仕事のストレス、ひどい失恋などで疲弊した心にとって、初恋はまさに“お風呂上りに贅沢アイスを食べる”それにも似た背徳感…、つまり最高なのです!

 

 

 

とはいえ現実に「初恋相手に連絡して復縁!」とかは興ざめなのでNG。落ち込んだときにたまに思い出して「明日からもがんばろう!」と嗜めるように、初恋は“お守り”のように大切ににしておけば、きっとこの先の人生でふわりと顔を出して自分にエールを送ってくれますよ。

 

 

text:kanacasper(カナキャスパ)

映画・カルチャー・美容ライター/編集者。編集を手がけた韓国のカリスマオルチャン、パク・ヘミン(PONY)のベストセラー メイクBOOK待望の第2弾『わたし史上いちばん”盛れる”♥ 秘密のオルチャンメイクⅡ』(Sweet Thick Omelet/DVD付/¥1,500・税別)が好評発売中


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