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【うるおい女子の映画鑑賞/愛と孤独にひたる】『しあわせな孤独』(デンマーク・2002年)

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身体と同様に、こころもエクササイズが必要。週に1本映画を観ることで、こころの筋肉をしっかりと動かし、”きれい”を活性化しませんか? そんな”きれいになれる”映画を紹介する【うるおい女子の映画鑑賞】。第3回のテーマは「愛と孤独にひたる」で、デンマーク映画の『しあわせな孤独』です。

 

落ち込んだときって、とことん落ちるとこまで落ちることで静寂に包まれて、自分としっかり向き合うことができたりしますよね。静寂の中で「愛」と「孤独」について考えてみてください。登場人物の「誰に感情移入するのか」で、見えてくるものがあるかもしれませんよ。年齢や性別、未婚/既婚、そのとき置かれている自分の状況によって、感情移入する搭乗人物が驚くほどに変わるのがこの映画の面白いところなんです。

 

テーマの深さとはうらはらに、フォトジェニックな映像とエモーショナルな音楽にまず惹きつけられるので、構えることなく映画の世界に入り込めます。

 open hearts
【デンマーク版 劇場公開ポスター】

 

 

婚約したばかりの若いカップル、ヨアヒムとセシリは幸せの絶頂にいたが、ある日、ヨアヒムが交通事故で首から下が動かなくなってしまう。そんな彼をセシリは献身的に支えようとするけれど、人生に絶望したヨアヒムはふさぎ込み彼女を拒絶する。

 

医師のニルスは、妻が起こした交通事故の被害者が自分の働く病院に入院していることを知る。様子を見に行った彼はそこで、行き場のない思いを抱えたセシリと出会い、罪の意識から彼女を励ますようになる。やがてふたりは、孤独を埋めあうようにお互いを求め合うようになるけれど、そのことはすぐに明るみになり、ニルスの妻や娘を含め誰もが”愛”と”孤独”に苦しんでいく-ー。

 

 

 

観終わったときにタイトルの『しあわせな孤独』という言葉について考えてみてください。

 

”孤独”はつらいけれど、それに浸ることでヒリヒリと感じることがあります。”愛”の記憶であったり、”愛”への感謝であったり、自分への”愛”であったり・・・・・・。

 

美しいけれどどこかザラついた映像、そこに入り込む生っぽい音楽(サントラもおすすめです!)、デンマークの日常にある鮮やかな色ーー感覚に任せてこの映画に身をゆだねれば、すこし違った気分で明日が迎えられるはず。週末の「おうちシネマ」にいかがですか?

 

 

text:kanacasper(カナキャスパ)(映画・カルチャー・美容ライター/編集者)
編集を手がけた韓国のカリスマオルチャン、パク・ヘミン(PONY)のメイクブック『“かわいい顔”はつくるもの! 秘密のオルチャンメイク』(Sweet Thick Omelet/DVD付/¥1,500・税別)が好評発売中。こころもからだも豊かに美しくしてくれる日々の”カケラ”をブログで収集中。
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