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あえて娘の話を一切しない場所をつくってみた【毎日が変わる片づけのワザ(70)】

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去年の夏ごろから、「あえて娘に関連する話を一切しない場所」をいくつかつくっています。その理由は、娘が成長し日々のやりとりの中でいろいろなエピソードができたこと、そしてコロナ禍でほとんど人と会っていないことで、世間話をするときについ娘に絡めた話をしてしまう自分に気づいたから。

 

娘はわたしにとってとても大切な存在だし、一緒にいる時間が一番長い人。そして、娘との暮らしは、ちょっと笑ってもらえるようなネタには事欠きません。誰も傷つけない、平和なアホエピソードをお届けできる自信があるので、世間話にはもってこいなのです。

 

でも…今のわたしは娘の存在なしには何も話せない人になっているのでは…? そう気づいたとき、少しこわくなりました。「このコンビが解散したら、ピンでは面白い話ができない…」と。

 

娘の存在をちょっと横に置いておいてわたしだけでも、ちょっと笑ってもらえるような話ができる人でいたい。そして、そういう会話ができる場所が自分にとって必要だと思ったのです。

 

親でも会社員でも、誰かの友だちでもパートナーでもない、ただ一人のわたし。コロナ禍でほぼ人に会うことがない今だからこそ、あえてどこにも属していない素の自分として人と接する時間が必要なのではないかと思いました。

 

具体的には、

 

・毎週通っている整形外科(リハビリ40分の間に案外会話がある)

・ピラティススタジオ(レッスン前後に一緒に受けている人と少し世間話)

 

この2か所で娘話を封印しています。思った以上に、これは訓練になりました。油断するとつい「今朝、娘が~」とか「この前、娘からこんなダメ出しをされて…」などと言ってしまいそうになります。いかんいかん! とぐっと我慢して、他の話題を探します。最近読んだ本、見たドラマや映画、体調や仕事のことなど。

 

自分が思っていた以上に、会話をするときに(その場にはいない)娘に頼っていたことを自覚しました。そして、どう頑張っても話せることがない時は、いさぎよく黙ることにしました。または、相手に質問することにしました。

 

コロナ禍の約2年を過ごして、わたし個人として伝えられる話がこれまで以上に少なくなっている今、これからは自分の経験や内面を豊かにしようと思いました。読みたい本を買って読んだり、映画をみたり、音楽を聴いたり。自分に刺激を与えられるのは今は自分だけだ! と思って努力しているところです。

 

「会話から娘をとったら、わたしって空っぽだ」と気づいたことで、自分を楽しませるための時間をこれまで以上に大切にするようになりました。そして、「今度、これを話したいな」と思うことも少しずつ増えてきました。

 

とはいえ、わたしだけの力では面白い話ができるようには…まだまだなっていません…。気長に頑張りたいと思います。<text:なまけるための片付け/花太郎(整理収納アドバイザー) https://note.com/namake_kataduke


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