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ヘアサロンでアートを体感

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 もともとはサロンの営業時間外に描く予定のところ、描いてるところもお客様に見せたいから、というboy側の申し出によりライブペインティングが実現。


「カットしている横で絵を描いてる自分が、鏡に映り込んだりする。これまでのアートだったら、本を開いたりギャラリーに足を運んでもらわないと作品に関わってもらえなかったけれど、今回のような場合は音楽や映画のように、(アートへと)直感的に入ってきてもらえるんですよね。アートを生む僕の手は同じなのに」



  実際にヘアケアに来られたお客様はというと、携帯で写真を撮ったり、描いているところを非常に興味深く見ているそう。そこでサロンスタッフとの新たな会話が生まれたり、アーティストとの関わり合いも。我々が取材したこの日は代官山の『boy Attic』にて、軽く3メートルはあろう脚立に登って天窓へのペインティングが行われた。シャンプーを終えたお客様が身体を起こしたら、目の前には空へ向かって絵を描くアーティストの姿が……こんなふうに作品が生まれる瞬間を目の前で見られるなんて、そうそうない体験だ。


「アートって、けっして楽しいものではないんです。面白いからやり続けてしまうんですが、やっていてハッピーということはない。例えばスポーツ選手だったら世界中の人が応援してくれたりしますけど、もしギャラリーに作家がいても、どれが誰だかなんてわからないですよね。あんなに頑張ったのに……っていう(笑)。もともとストリートペインティングは絶対にやらないと思っていましたが、そもそもの初動が違うからでしょうね。今回はライブペインティングしている気持ちではなく、作業しているところを自由に見てもらっているだけ。やっていてすごく楽しいです」

 描かれた絵には、ちょうど人の顔が出せるくらいのスペースが空いていたりするものも。そこに自分の顔を映してアートの一部になってみたり、観光地のそれのように写真を撮って誰かに見せたくなる。見慣れているはずの路地や空が、絵を通して違った景色に見えたりする。髪を切りに来ただけのはずが、そんな豊かな体験が出来てしまうのだ。

 

 

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