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髪には欠かせない日本の伝統! ヘアメイクアーティストが案内する素敵な「つげ櫛」の世界

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櫛の歯を磨く作業は「やすり」で行うのですが、紙やすりだと紙に付いている砂が剥がれて櫛に食い込んでしまい、髪を梳かす時に髪を傷ませてしまうそうです。そうならないために使用するやすりは「鮫皮」(下写真左)と「トクサ」(下写真右)のもの。まず目の粗い「鮫皮」のやすりで磨き、その後目の細かい「トクサ」のやすりで磨いていきます。

 

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「トクサ」は京都に一軒だけある「トクサ」専門の農家の方から取り寄せているそうで、そこからやすりとして使用出来るものをセレクト。お米を使ってやすりの棒に貼りつけて使用するのだそうです。

 

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<これが「トクサ」。植物のざらざらしたところがやすりに使用される>

 

 

 

歯の間を丁寧に、かつスピーディーに。洗練された匠の技で、あっという間に仕上げていきます。そして、この時点では板状のままですが、これを櫛の形に削っていきます。

 

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糸ノコで形を切り…

 

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かんなで形を整え…

 

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最後に鹿の骨でツヤを出して…

 

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できあがり。

 

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ファストファッションが主流で「一生使えるもの」というのは少なくなってきた現代、精魂込めて大切に作られた物を体の一部のように大切にすることで、さらに心が豊かになっていく気がします。実際「つげ櫛」は大切に使えば数十年は使え、どんどん自分の髪に馴染んでいくそうです。

 

自分に合った「つげ櫛」を作ろうとすると、オーダーしてから手元に届くまで長くて3ヶ月くらい掛かることもあるそうですが、みなさんも「大切な一本」「一生の一本」を見つけに、ぜひ東京・上野の「十三や櫛店」を訪れてみてくださいね。

 

 

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十三や櫛店 TEL:03−3831−3238
〒100−0005 東京都台東区上野2−12−21


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