special reportスペシャルレポート

驚きのアフタヌーンティーや地上160mの朝稽古【星のや東京】の息をのむアクティビティ

Twitter
LINEで送る

東京大手町にある温泉旅館【星のや東京】。星野リゾートと言えば、施設がある土地の伝統や歴史、風土などを採り入れたアクティビティを用意しますが、星のや東京では、高層ビルの屋上で行う朝稽古や、日本の伝統文化を採り入れたアフタヌーンティ、茶の湯など、ユニークな体験が待っています。

 

|1日1組限定のアフタヌーンティは個性満点

 

2022年4月からはじまった「Nipponキュイジーヌ ~発酵~」アフタヌーンティーは、イギリスの上流社会で広まったアフタヌーンティーに、日本で独自に発展した「茶事」や「茶の湯」をアレンジ。麹や味噌など日本古来の発酵調味料にアジアやヨーロッパの発酵食材もくわえ、フレンチの繊細で美しい盛り付け方「ヌーベルキュイジーヌ」を駆使したお寿司とスイーツを楽しめる、独創的なアフタヌーンティです。

 

▲地下2階の車寄せには、大きなのれんがかかります

 

星のや東京は江戸城の大手門(城の正門)に近く、徳川四天王と称された酒井家の上屋敷があった場所。のれんの紋は、左が酒井家の「丸に片喰(かたばみ)」、右は「星のや」の家紋です。

 

▲2階はフロントやラウンジのある開放的なフロア。ここで一部のアクティビティが行われます

 

17階建ての星のや東京は、ビルの表面が日本の伝統模様「麻の葉崩し」をモチーフにした抜き型格子で覆われますが、「畳ステージ」のある2階だけは格子をつけず、通りから障子を見せることで日本旅館の存在に気づくようになっています。

 

▲2階ラウンジに設けられた「畳ステージ」。ビルに囲まれた和の一画が、独特の雰囲気をかもします

 

「茶事」の作法で行われる「Nipponキュイジーヌ ~発酵~」アフタヌーンティー。茶事とは、懐石、濃茶、薄茶の順でもてなす正式な茶会のことで、「点心(軽い食事)とお酒をペアリングした茶懐石」、「濃茶と主菓子」、「薄茶と干菓子」を順番にいただきます。

 

▲最初のペアリングは、長野県・諏訪にある蔵元「真澄」のスパークリング日本酒「おりがらみ」

 

オリを少し残す濁った日本酒のグラスの底には赤じそのシロップが入り、日本酒で作るキールロワイヤルのような一杯が楽しめます。

 

▲お重で出てくる日本風アフタヌーンティー

 

「Nipponキュイジーヌ ~発酵~」アフタヌーンティーは3段皿の一般的なティースタンドではなく、武家や領主が合戦や狩りで食事を持ち運ぶ重箱で用意されます。ここで使われるお重の表面には、法隆寺が所蔵する国宝「玉虫厨子」をヒントに、玉虫の羽を使った装飾が施されています。

 

▲お重には2人前が納められ、中央に4種の点心、左右上段には主菓子5種、下段に干菓子5種が並び、すべてに発酵食材が使われます

 

点心のお寿司は、醤油麹醤に漬けた「マグロの中トロがのるサフランライス」や、日本酒に梅干を入れて煮詰めた煎り酒を使う「春野菜と昆布ジュレのテリーヌ」、熟成酒粕に漬けたトリュフがのる「穴子と里芋のテリーヌ」、エビや小魚を発酵させたタイの調味料「カピ」を使った「エビとブイヤベースのライス」です。発酵調味料を使い、香りや旨味も凝縮。ひと口ごとに感覚を研ぎ澄まし、味わいたい逸品です。

 

▲季節の素材を使った点心は、繊細な細工と彩りがが美しい一口サイズのお寿司(写真は2人分)

 

▲点心とスパークリング日本酒のペアリング。スパークリング日本酒が赤しそのシロップと混ざりあい、華やいだ薄桃色を楽しめます

 

主菓子の発酵あずきを使った「餡子ミルフィーユ」は、お砂糖は使わず麹の優しい甘味をプラス。味噌のクリームが甘じょっぱい「江戸味噌マカロン」。液状の発酵バターミルク「レ・リボ」を使った「苺とピスタチオのフレジェ」、「湘南ゴールドのピュイダムール」には発酵生姜シロップを加え、発酵バターを使った「桜のルリジューズ」など、美しさと美味しさの競演を満喫できます。

 

▲通常茶事では主菓子を濃茶でいただきますが、猿田彦コーヒーが監修したオリジナルの発酵させたコーヒー豆を、フレンチプレスで抽出するフルーティーでほろ苦い味とペアリング

 

お重の下段に並ぶ干菓子。「ヨモギのオペラ」は、発酵茶のパウダーがかかったヨモギの風味を楽しむケーキ。「さくらんぼムース」や「黒文字茶ショコラサンド」、柚子麹シロップを使った「金柑とチョコレートのムース」、発酵レモンを加えた「和柑橘のタルトシトロン」など、見た目は洋風のミニャルディーズ(可愛いお菓子)ですが、日本の食材や発酵食品を使い、和洋のマリアージュにこだわります。

 

▲下段に並んだミニャルディーズ5種とペアリングするのは薪火晩茶。茶葉ではなくお茶の木を薪火で焙煎した、スモーキーな香りが個性的なお茶です

 

▲そして最後にいただいた干菓子は「アマゾンカカオの落雁」。落ち着いた甘味が、「Nipponキュイジーヌ ~発酵~」アフタヌーンティーのしめくくりです

 

発酵食材を使ったスイーツは、まさに和とフレンチの競演。一口ずつじっくりと味わいながら、お酒やお茶とのペアリングを楽しんでみてください。アフタヌーンティー「Nippon キュイジーヌ ~発酵~」は、1日1組(2名)、1名¥12,000。公式サイトより3日前までの予約制です。

 

|驚きの体験が待っている「天空朝稽古」


次のページへ

1 2

border