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予測できない驚きのディナー【星のや東京】秋の「Nipponキュイジーヌ ~発酵~」

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「<石> 五つの意思」は、「酸味・塩味・苦味・辛味・甘味」の五味を、左から順に前菜、スープ、魚、メイン、デザートと、コース仕立てで表現。全てに発酵食材を使い、際立つ味と芸術的な盛り付けを楽しめます。

 

麹に漬けた東北伝統の三五八(さごはち)漬けを大根のピクルスで巻いた「かますのルーロー」を手始めに、トマト味噌を使ったルビー色の「ボルシチ」、糠漬けの秋刀魚で作った自家製バターをミンチの秋刀魚と合わせてほろ苦さを味わう「コロッケ」、実山椒の辛味がアクセントの「ブフ・オ・キャロット」、栗とレバーのペーストに、豆腐をもろみ漬けした熊本の発酵食材「豆酩(とうべい)」で甘じょっぱく仕立てたデザートなど、そのどれもが個性際立つ味つけです。

 

▲「<石> 五つの意思」は季節ごとに素材や味が変わる「星のや東京」の名物料理

 

▲2番目の塩味(えんみ)は、球体にトマト味噌とベーコンを合わせたボルシチが入り、口の中でトロリとしたスープが広がる一品

 

4番目は可愛らしい容姿にひそむ【辛味】。牛肉とニンジンを煮込んだフランスの家庭料理「ブフ・オ・キャロット」を、指でつまめるほど小さく表現。ニンジンが巻かれた牛テールには、大豆を麹菌で15か月ほど発酵させた浜松の「浜納豆」で旨味を加え、実山椒の辛味がちょっとシビレるアクセント。

 

▲小さいながらも多彩な味が凝縮した【辛味】「ブフ・オ・キャロット」

 

<五つの意思>とのペアリングはワインではなく、意表を突いた日本酒。杉玉発祥として知られる奈良県の大神神社の門前で1660年に創業した今西酒造の「みむろ杉 木桶菩提もと 南木桶壱号」。吉野杉の木桶を使い、桶ごとの味のちがいをウリにします。香りが高くたいへん美味しいお酒ですが、主張しすぎることがなく、多彩な味が複雑に入れ替わる<五つの意思>によく合いました。

 

▲<五つの意思>にペアリングした「みむろ杉 木桶菩提もと 南木桶壱号」

 

|意表を突かれるペアリングのお酒


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