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予測できない驚きのディナー【星のや東京】秋の「Nipponキュイジーヌ ~発酵~」

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<五つの意思>に続く2皿の魚料理とメインディッシュは、どれも趣向を凝らした味。そこへペアリングするお酒も驚きの連続です。

 

脂ののった戻り鰹の3種類の部位を、それに合わせて味つけを変えた酒盗のソースで味わう「<逢> 鰹の藁焼き」。右から、脂の乗った鰹の腹は、鰹の酒盗と茄子を合わせたさっぱりめのソースで。中央の赤味には、にんにくとグリーンオリーブを使った酒盗のペースト。左は血合いも含んだ背の切り身を醤油漬けにして香ばしく味を付け、梅肉と粒胡椒を酒盗のソースに混ぜて、赤紫蘇のような香りのスパイス「スマック」と共にいただきます。

 

▲「<逢> 鰹の藁焼き」は3種類の部位をちがう味つけで

 

魚料理と言えば白ワインですが、鉄分を多く含む赤身の鰹には赤ワインをチョイス。魚料理が合う赤ワインとして、黒葡萄のマスカットベリーAにこだわる山梨のワイナリー、ドメーヌ・ヒデの「べべ 2019  マスカットベーリーA」をペアリング。酸味がしっかりたつ新鮮な味わいに、オーク材の古樽を使った複雑なニュアンスが加わり、酒盗ソースの鰹にベストマッチです。

 

▲赤身の鰹の濃厚な味わいに合わせた赤ワイン「べべ 2019 マスカットベーリーA」

 

2枚重ねた平目は、ホウレン草や糠漬けにしたポルチーニ茸を巻き、海老とホタテのムースで包み、発酵バターを使ったパイ生地で包み焼き。そこへ、乳酸菌の酸味が効いた古漬けのエシャロットを加えたバターソースをかけて完成です。ほっこりとした平目に、バターの風味やポルチーニ茸の香り、魚介のムースや酸味の強いソースなど、味のグラデーションを楽しめます。

 

▲魚料理はパイ生地で包んだ「<包> 平目のアンクルート」

 

白身魚の平目なら白ワインで行くところを、さらにシャンパンという踏み込み方。フルーティでふくよかな味わいの「ボランジェ スペシャル・キュヴェ」が供されます。シャンパンは乾杯酒という固定観念に囚われず、コースの中盤で、ホクっとした白身魚にシュワッと弾けるアクセントを生む意外性。007ジェームズ・ボンドが愛するシャンパンとしても知られ、ペアリングにちょっとしたアクションシーンを加えます。

 

▲魚料理にシャンパンを合わせた「ボランジェ スペシャル・キュヴェ」

 

秋のメインディッシュは「<薫> 牛フィレと茸のコンソメ」。炭火で焼いて香りをまとわせた和牛は柔らかなミディアムレア。海老芋や高温で熟成させた黒ごぼうをはじめ、杏茸やアミガサタケなど、付け合わせも風味豊か。そこへ、牛肉をベースにキノコや徳島特産の赤黒い豆味噌「ねさし味噌」を使った旨味たっぷりのコンソメスープが、南部鉄器の鉄瓶から注がれます。

 

▲付け合わせも主役級の味。「<薫> 牛フィレと茸のコンソメ」は、一皿で様々な味を楽しめます

 

牛フィレとのペアリングは、ジャンボール・ミュジニー村のブルゴーニュワイン「プルミエ クリュ レ グリュアンシェール」。2014年物のヴィンテージワインで、ミディアムフルの辛口。やや強めの酸味と柔らかな余韻が、豊かな味わいのコンソメスープに浸る牛フィレや付け合わせを引き立てます。

 

▲牛フィレとのペアリングは2014年物の「ジャンボール・ミュジニー プルミエ クリュ レ グリュアンシェール」

 

|デザートにも仕掛けあり!


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