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しつこいニキビは漢方で対策。薬剤師が部位別で解説【ニキビの原因&対策法】

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ニキビの正体は、皮脂による毛穴詰まりです。実はこのニキビ、からだにあらわれる部位によって原因が異なるってご存知でしたか? 原因が違えば、もちろん対策も変わってきます。

 

 

(1)額(ひたい)や鼻のニキビ

 

・原因

額や鼻は、皮脂を分泌する皮脂腺の多い部位。皮脂は、乾燥や菌の増殖から皮膚を守るものですが、過剰に分泌されると毛穴に詰まりやすくなります。

 

・対策

ホルモンバランスの乱れは、過剰な皮脂分泌につながります。規則正しい生活やストレスをためない工夫により、ホルモンバランスを整えることができます。おすすめの漢方薬は下記2種です。

 

・清上防風湯(せいじょうぼうふうとう):思春期ニキビに適しています。顔の熱や炎症を取り、かゆみを抑えて脂っぽい肌のニキビ治療に用います

 

・荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう):蓄膿症によく用いられる薬です。首から上の余分な熱を冷やし、炎症や皮膚のかゆみを抑えて排膿を促します

 

 

(2)頬(ほほ)・口周りのニキビ

 

・原因

頬や口周りは顔のなかでも乾燥しやすく、水分不足によって肌の新陳代謝(ターンオーバー)が乱れやすい部位です。新陳代謝が一定のサイクルで行われないと、肌に汚れや皮脂が詰まりやすくなります。

 

・対策

乾燥には十分な保湿が重要です。洗顔後の保湿ケアを欠かさないことはもちろん、化粧の上からも保湿ミストなどを使って日中の乾燥も防ぎましょう。おすすめの漢方薬は下記です。

 

・温清飲(うんせいいん):皮膚が乾燥してかゆみがあるタイプに用いられ、体内にこもった熱を冷ます黄連解毒湯(おうれんげどくとう)と、血流をよくする四物湯(しもつとう)でできています

 

 

(3)フェイスライン・顎のニキビ

 

・原因

フェイスラインや顎は、汗を分泌する汗腺が少ないため乾燥しやすい一方で、皮脂腺が多く存在。乾燥をカバーしようと皮脂分泌が過剰になることから、毛穴詰まりが起こりやすくなります。

 

・対策

洗顔料はしっかりと泡立て、多めの泡で優しく洗顔しましょう。洗顔後は速やかな保湿が大切。低刺激で油分の少ないスキンケア化粧品がおすすめです。おすすめの漢方薬は下記2種です。

 

・黄連解毒湯(おうれんげどくとう):からだを冷やして熱を取り、皮膚のかゆみや炎症を鎮めます

 

・桂枝茯苓丸加薏苡仁(けいしぶくりょうがんよくいにん):血流をよくし、体内の水分の巡りをよくしてにきびやしみなどの肌トラブルを改善します

 

 

(4)背中のニキビ

 

・原因

背中は皮脂腺が多く、皮脂が毛穴に詰まりやすい部位。また、目につきにくく手が届きにくい場所というのも、症状に気づかずに皮膚環境が悪化してしまう要因です。

 

・対策

背中には入浴時のシャンプーやボディソープなどが、残ってしまうことがあります。浴槽の湯よりも、なるべくシャワーで勢いをつけてしっかり洗い流すほうがいいでしょう。おすすめの漢方薬は下記です。

 

・十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう):化膿を抑え、余分な水分や熱を取り除き、かゆみや赤み、腫れを改善します

 

|ニキビ対策に漢方薬を取り入れる際に気をつけたいこと

 

漢方薬は、体質を根本から改善することが目的なので、繰り返すニキビに特におすすめ。漢方薬を取り入れる際に気をつけたいのが、漢方薬の選択です。

 

漢方薬を選択する際は、原因だけでなく、体質や生活習慣などを総合的に判断する必要があるため、専門家に選んでもらうのがベスト。副作用の心配も少ないですし、より効果が感じられます。また、「あんしん漢方」のように、最近注目のAIを使った漢方専門家が選ぶサービスであれば、スマホでオーダーメイドの漢方薬を手に入れることができますよ。それでも症状がよくならない方は、皮膚科の受診を検討してくださいね。<text:薬剤師 竹田由子(たけだゆうこ)>


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