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北陸の花街・金沢【ひがし茶屋街】をガイドさんと巡るおさんぽ旅

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「町全体が美術館」そんな風にも言われる金沢。とりわけ古い街並みが残る【ひがし茶屋街】は人気の観光スポットです。ここでは、無料のボランティアガイド「まいどさん」に街を案内してもらいましょう。古い建物の言われや見どころを教われば、金沢の花街を何倍も楽しめるひとときになりますよ。

 

 

 

|ガイドさんの案内でひがし茶屋街を満喫

 

「まいどさん」とは、金沢弁で「こんにちは」といった意味。黄色い上着が目印のまいどさんは金沢の街を案内してくれる無料のボランティアガイドです。ひがし茶屋休憩館、西茶屋資料館、長町武家屋敷休憩館の3カ所に常駐していて、まいどさんの手があいていれば、その場で案内を頼めます。確実に案内を希望するなら、10日前までに申し込んでおきましょう。

 

▲まいどさんが常駐する「ひがし茶屋休憩館」

 

ボランティアガイドは「ひがし茶屋休憩館」でお願いできます。江戸時代末期に建築された旧涌波家住宅の主屋を明治期の姿に復元した建物で、奥には中庭が設けられ、2階の窓には格子がはまる町家建築です。

 

▲「ひがし茶屋休憩館」の奥には町家ならではの中庭があります

 

中庭は玄関からの風通しを良くするほか、室内の明りとりとしても役立ちます。金沢は雪国なので、屋根に積もった雪を降ろすスペースにも利用されました。

 

▲ひがし茶屋街ならではの「さがり」とは?

 

ひがし茶屋街は道が狭く、屋根のひさしを長くすると通行の邪魔になります。そこでひさしを短くした分、雨や雪で障子が濡れたり、室内に吹き込まないよう、「さがり」という板で防ぎます。道幅の広い「にし茶屋街」では見られない造りです。

 

▲隣の家が火事になった時、燃え移りにくくする袖壁「うだつ」

 

軒をつらねた商家など、町家造りの建物によく見られる「うだつ」と呼ばれる袖壁。防火壁の役目を果たしますが、うだつのついた商店は儲かっている証とも言われ、「うだつが上がらない」の語源とも言われます。

 

▲うなぎの寝床とも呼ばれる間口が狭く奥に長い町家は、障子を開けると表通りから中庭までまっすぐつながる、風通りをよくした造りです

 

▲障子紙を竪子と横子からずらして、お城の石垣のように見せる「石垣張り」。金沢には茶の湯文化が今も残りますが、茶室などにも見られる張り方です

 

 

 

|風情ただよう花街の面影


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