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韓国からほど近い国境の島【長崎・対馬】で珍しい刺身や地酒も味わう「島旅」を

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対馬の中心地近くにある「万松院(ばんしょういん)」は、鎌倉時代から明治時代まで対馬藩主として地域を治めていた宗家の菩提寺です。自然と人工物が融合し、荘厳な雰囲気が漂っています。特に、百雁木(ひゃくがんぎ)と呼ばれる132段の石段は、見応え抜群です。

 

▲石段の端には灯篭が並んでおり、思わず立ち止まってしまう迫力があります。

 

 

石段を上りきった先は歴代藩主の墓所となっています。立派な石積みの壁や、対馬で最も樹齢の長いとされる大杉などがあり、異世界に迷い込んだような景色を見ることができます。国の史跡にも指定されている上に、山口県萩市の毛利家墓地、石川県金沢市の前田藩墓地と並び「日本三代墓地」のひとつとも言われています。対馬の歴史と豊かな自然を、同時に感じてみてください。

 

 

 

|島情緒満点で、「国境」も感じられる景色?

 

対馬は湾になっている部分もありますが、島の周囲のほとんどはリアス式海岸となっています。断崖絶壁のような場所も多くあり、広く海を眺められると同時に大迫力の自然を満喫できるスポットも多いのです。

 

 

島の南西部の先端に位置している「豆酘埼(つつさき)」もそんなスポットのひとつで、豆酘埼灯台周辺から見る絶景が人気となっています。海に突き出た岬の先端付近まで歩いていけるので、雄大な海の景色を存分に楽しむことができますよ。

 

逆に島の北側でおすすめなのは、北端付近に位置している「韓国展望所」です。広場にドンと建っている韓国の建築様式の展望所からは対馬の北側の海が眼前に広がります。冒頭で韓国との距離がかなり近いと紹介しましたが、島の中でも韓国側に建っているのが、このスポットなのです。

 

 

そのため、天候や季節にもよりますが、タイミングが良ければここから韓国本土を見ることもできます。韓国の第二都市である釜山との距離が50kmほどということもあり、夜景や花火などが見えることもあるというとても珍しいスポット。日本という島国では、なかなか国境を意識する機会はありませんが、海の向こうに外国が見える対馬はまさに「国境の島」と言えますね。

 

 

対馬はそれほど知られていないのですが、国内でもトップクラスの広さがある離島です。奄美大島と同じくらいで、北端から南端までの距離は約100kmにも上ります。

 

 

車でも移動だけで2時間以上かかるので、訪問の際には移動に時間を取られて観光できなかった、とならないように要注意。数ある日本の離島の中でも、国境を感じられる珍しい対馬で、新しい魅力を発見する旅をしてみませんか? <text&photo:岡本大樹>


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