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KIREI FILE 10 MAYUMI

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ー地位の向上を図るために美容師になった、と。

 だからこそ私は自分でカットを考案し、技術を確立したうえでの適正な価格を設定しました。価格は自由ですし、そこにオファーがあるかどうかはお客様が決めること。ニューヨークでは最低で5万円というカット料金があるのに、日本のカット料金は本当に低い。時間給で考えたら、ネイルやエステにはとっくに抜かされ、アイラッシュにも抜かされてしまっています。いったいどうするの!? っていう美容師業界の心の叫びがありますよね。
 それを作ってしまったのは、私たちの先輩たちであり、私たち。このままではもっと残念なことになってしまう、だから頑張っています。

ー今後、MAYUMIさんの考えをどのようにして伝承していきたいとお考えですか?
 これまでに数多くのセミナーを開催してきましたが、来年1月からはアカデミーが始まります。ビジネスだけを考えるなら、私の運営するアカデミーなのですから「MAYUMIアカデミー」「ミスエッセンスアカデミー」とするところ。しかし業界全体のことを考えると”MAYUMI”や”ミスエッセンス”の名前は邪魔。自分のことだけを考える時代はもう終わったと思っています。とにかく純粋にこの業界をみんなで支えていこうと考え、そのための人材を育てたいんです。この私の考えを、口のうまい野望と聞くのか、展望と聞くのかはみなさんの心の器次第ですが、ぜひ深く理解して欲しいところですね。
 アカデミーの名前は、ギリシャ神話に出てくる美の女神から取った『Charis(カリス)』としました。来年から月次の講習を2年間で習得して頂けるようなプログラムを組んでいます。受講して頂くのは限定数ですが、少しずつ全国に私の考え方、カット技術を継承した美容師たちが増えていけばいいなと思います。

ー「MAYUMIism」が、このアカデミーで学べるんですね。
 私のカットというのは、「似合う髪型を論理化してお客様にアドバイスする」=パーソナルプロデュースという考えに基づいています。カウンセリング時に「なぜその髪型が似合うかを論理的に説明できる」のが私の考え方です。これはお料理と同じなんですよね。3分クッキングといっても、実際に3分で上手に出来るのは先生だけ。でも料理にはレシピが存在する。大さじ1杯、小さじ1杯というのはわかっても、塩”少々”が難しいもの。この”少々”=感性でしょう。最終的には器に盛るのも感性。結局、お料理の世界はレシピがあるからそれなりには出来ますよね。
 美容室で言えば、ほとんどのお客様が「似合う髪型にして」とオーダーし、美容師は「わかりました」と言う。しかしそれ以上の、”あなたにこの髪型が似合うのは何故か”を説明されることはほとんどないと思います。私自身、幼少時から自分の髪型にずっと悩んでいて、ノリが良くて適当で嘘ばっかり言う美容師が大嫌いだった……。だからこそ私は美容師になって今があり、今後のアカデミー教育、セオリーを伝えていくことが現在の私に与えられた使命だと思っています。そしてアカデミーを修了した美容師たちのカット料金を引き上げられるようにしたいんです。
 サラリーマンの月のおこづかいが年々減っているという声も聞かれる現代。増税などもあり、今後美容にかけられるお金もますます厳しくなるでしょう。しかしどうせカットするのなら、確実にきれいになれる理論を持った美容室に行って欲しいですね。

 

  MAYUMIさん自身の「美」ism……気になる! >>>

 


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