「想定外」という言葉が嫌いだ。
そもそも,誰が勝手に決めた「想定」で,勝手に「内」「外」を決められ、
きゃっきゃ言って,あたかもこのフレーズを言えば正解!みたいな空気が流れている。
誰かの敷いたレールに乗っていくのはまっぴらごめんなのだ。
ある日、嫁が在宅のバイトを見つけたからどうかな?と言ってきた。
在宅のバイトといえば,軽作業的なものや入力の仕事だろうと思っていた。
実際、嫁は在宅のライティングの仕事をしていて,音声入力で書くもんだから内容まるわかり。
よくよく聴いてみると、「浮気調査の探偵を雇った主婦」になったつもりで記事を書いていて,
「自営業の夫が最近怪しい出張が多い」だの「いつも名古屋の同じ場所に行っている」だの,
自営業で丁度その時期に出張が重なっていた僕は何も悪い事はしていないものの、
ゾクゾクしたものを感じたのもだ。
そんな嫁が次に見つけてきたのは,電話で対応する「占い師」というのだ。
え〜,皆様、撤回させて頂きます。確実に想定外です。
占いなんて行った事も無い、「あんなもん気の持ちようだ!」
くらい言っていたはずなのに…まさかの気持ちでいっぱいだった。
僕はTOSHIかまたは中島知子か…不安がよぎる中、「人生は演劇だ」というのが僕の座右の銘なもので,
人を楽しませてなんぼのこの生き様、嫁が占い師くらいがちょうどいいのかなと思ってしまった。
嫁曰く、「夜も眠れず、悩みを抱えている人を癒してあげたい」らしい。
これが占い師の誕生の瞬間なのだろう、なんとも素晴らしい動機だ。
募集のサイトを見ると、「あなたが占い師だと思ったら占い師なんです」と書かれていたらしく、
募集要項では
「元役者とか女優を目指してたという方で人の気持ちを親身になって理解してあげられる人は優遇」
と書かれていて、エキストラとして様々なオーディションや、
ちょい役で出ただけのドラマを「作品」と呼んでしまうような私にはもってこいの仕事だと
嫁は気合が入っている。これは余談だが,以前僕がテレビに出させてもらった時(恐縮です)、
髪を切ったりしながら僕の紹介をするという良くあるシーンの撮影があった。
その時にモデルとして嫁を呼んだのだが,収録が終わった後、
ディレクターに「これいつですか?いつ放送ですか??」と食い下がっていたのを覚えている。
そして放送を見てみると、嫁はおでこしか映っていなかった。
「面接に落ちた事がない」という嫁はいつの間にか応募し、二日後には先方から連絡があった。
先方曰く、「こんなにこの仕事に適した人いないので、是非、占いの館で占いをして欲しい」
との返事を貰った。電話だけじゃもったいない、是非、現場で…というのだ。
前職でずっとアパレルをやっていた嫁は、売り上げはピカイチだった。
その要因は、人をアゲるのが上手いからだ。僕も度々助けられている。
僕が占いが嫌いなのは占い師のコメントは暗い事言えばいい!みたいなのが多いという印象があるからだ。
救いを求めて占って貰うなら、アゲられた方がいいに決まっている。
もしかしたら嫁は天職かもしれない。
タロットも慌てて楽天で注文。ネットで占い師として写真に上がるらしく,
僕も駆り出され、倉庫をごそごそ。ウィッグをかぶせてアイライン太めで占い師っぽく仕上げ、
写真を撮った(BNTのブログっぽく。へアメイクを少々)。
台風も過ぎ、空も明るくなってきた。今後の経過はここでも報告していけたらと思う。
2014/10/07| TAGS:
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