東京ファッションウィークも終わり、それに合わせていろんなブランドも展示会をやっているので、
友人とぐるぐる回る。そこで出会ったデザイナーの女性が
「2020年は東京オリンピック。これから絶対『EDO』が来る!」
という言葉が何気なく頭に残ったのが今シーズンだった。
日本人ってのは大抵の人が外国に憧れを持っていて、
「パリの街並みが素敵!」だとか、「あの映画のローマの泉だ!」とかで興奮する。
その割には日本に帰ってくると「タクシーでぼられた」「トイレが汚い」だの、
まぁ日本じゃありえないような不満が出てくる。
僕も以前パリに行った時に、目の前でチャリンと音がした。
ふとみると、移民の婆さんが,「指輪落としましたか?」と
金の指輪を見せてくる。「僕のじゃないよ」と言うと
婆さん,「これは神の思し召し。貰っていきなさい」
さすが海外、こんなに身近に神がいるのか!そしたらこの婆さんは女神かも知れない!なんて思い、
たどたどしい英語で「オー!ユーアーヴィーナス!!」
と言って立ち去ろうとすると,婆さん、僕の袖口を掴んで
「こんなにして出会ったのも何かの縁。私は仕事がありません。サンドイッチ恵んでやって下さい」
…しまった!と思ったけれど時すでに遅し。
「じゃあ買ってくるからそこで待ってて」
「買ってこなくていい!現金でいいよ」
「じゃあ5ユーロくらいかな」
「コーラも飲みたいから10ユーロ頂戴!」
…その後、パリの街中で何回金の指輪が目の前で落ちた事か…
ここからは余談だが,
この時当時62歳の僕の先生と歩いていて、(僕は影でブラボー先生と呼んでいるがすごい人)
婆さんとのやりとりの最中、一人でとぼとぼ歩いていってしまった。
迷子になられては困ると思い、走って追っかけていくと
「何、お前、どうしたんだい?」
「いや〜,婆さんにやられちゃって…」
「金の指輪?おや?裏に18Kって書いてあるよ。あれ?僕の指にピッタリ」
と言って,ブラボー先生は僕の指輪を持っていってしまった。
「騙される」ってのは日本で普通に生活してりゃあなかなかな無い話で、
そういうところはどの国よりも日本は素晴らしいのになぁ〜。
そういうのを見たり聞いたりすると(おいおい、もっと日本のいいとこを見つめ直していこうぜ)
なんて思っちゃうんだけど、どうも「海外熱」は冷めやしない。
まぁ、僕レベルになると日本の古典に関しては当の前に目覚めている訳で、
数年前から仕事でご一緒させてもらっている歌舞伎の俳優様や和太鼓の皆様のお陰で、
序の口ながら日本の伝統に触れさせて貰っている。
最近なんて友人の紹介で「落語」にはまりだした始末だ。
志ん朝師匠の逆転劇がいくつもあって素晴らしい「大工調べ」。
小三治師匠の「茶の湯」「出来心」。
楽しい中にも暗さを残して噺す志の輔師匠は「ねずみ」。
そして誰もが知っている談志師匠は2007年12月18日よみうりホールの「芝浜」も最高だ。
YouTubeで上がってるのもいいんんだけれど、DVDになってるのはやっぱり格が違う。
展示会を一緒に回ってた友人の一人が僕に落語を教えてくれた事もあり、
この後、落語を上野に聞きに行こうということになった。
二人して、「確か昭和通り沿いだったよな〜、あったあった!」と言って、こちらに入る。
今日は独演会ということで、演目も短め、料金安め。
なんだ〜いろんな人が聞きたかったなと思いつつ中に入る。
狭い演芸場の中、もっと広いと思ってたのにイメージとちょっと違う。不況の波がここにもきているのか…
まだ若手の噺家さんが「出来心」など、4席話してくれるのだが、
実際,噺をずっと聞いていると眠気との勝負になる。
うつらうつら、ハッとして時折目を覚まし、なんとかかんとか終わった1時間半。
僕に落語を紹介してくれた友人は、その間ずっと寝ていた。
上野の落語の会場で有名なのは「鈴本演芸場」なのだが、
「あれ〜?鈴本ってこんなもんなの?なんかイメージと違ったな〜」なんて思った帰り道。
ご飯食べて帰ろうよという流れになったので、昭和通り沿いを上野のほうに歩いて行くと…
あれ?ここ、鈴本演芸場で書いてない?
そうそう!こんなのが見たかったんだ!
え?鈴本だと思ってたところ、ちがうとこだったの?!
なんか騙された感じ…まるで海外の気分だな。
お後がよろしいようで
2014/10/20| TAGS:
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