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【○△□びより】春と秋にただいま《写真+文:ヘアメイクアーティスト 橘房図》

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八丈島には年に2回行きます。春と秋、ふたつの季節に必ず1週間程の休みをとって行くのですが、10年以上ものあいだ毎年の恒例行事になっているので「島に行く」というと、まわりの人たちは「そろそろそんな季節ですか…」という。そして、初めてそれを知った人は「何をしにいくのか?」と口をそろえて尋ねてきます。私は「季節を楽しみに行くんだ」と答えます。

 

春であれば、アシタバ、カラスザンショウ、たらの芽、つわぶきなどの山菜を採ったりして、それをマリさん(八丈島に住む友人)に料理を教えてもらいながら一緒に作って食べるのです。春の野草には「解毒作用」があるらしいのです。

 

冬の間に蓄えた不要なものを、体の外に出してきれいさっぱりリセットでいるのでしょうか…
そして、緑をむしゃむしゃして、まるで私は“あおむし”のようだなと思うのです。

 

雨や太陽、植物たちや風の動き。
自然と共存しながら、日常の中に日ごろ味わうことの少ない、沢山の新しい発見がそこにはあって、楽しみがあって、日々仕事などに追われて慌ただしくて忘れかけていたものを取り戻すような、そんな場所なのです。

 

私にとって八丈島は、実家や東京の住まいとはまた別の「ただいま」と言える大きな居場所のひとつです。

 

>>>写真で【○△□びより】春と秋にただいま(その1)


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