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002_玉の肌石鹸

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美容業界に携わる者たちがこだわり、長きに渡って愛用する”道具”にフォーカスを当てる『TOOLBOX』。今回は少し趣向を変えて、モノ作り現場に潜入! 今年、創業120年を迎えた老舗の石けん専業メーカー、玉の肌石鹸の工場を見せて頂きました。
 

  玉の肌石鹸は明治25年(1892年)創業以来、120年にわたって石けんづくりを専業にしてきた歴史と伝統あるメーカー。1960年代後半から高級石けんの受託生産を開始。その長い歴史と優れた技術には高い評価を得ており、現在も世界的に知られているブランドの商品を含めて数多くの受託生産品を手がけているという。なんとその数、100種類以上! 2003年から自社オリジナルブランド「TAMANOHADA」もスタートしている。

 こちらが鹸化工場。油に苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)を反応させて石鹸を作るという方法が今も変わらずに行われている。昨今はインドネシアやマレーシアなどで石鹸を製造して輸入・販売しているところがほとんどだが、玉の肌石鹸ではごく一部を除きほとんどの製品を昔ながらのスタイルで製造しているという。

 こちらでは「ジェット鹸化方式」を採用しているが、つまりは油とアルカリ(=水酸化ナトリウム)は接触しないと反応がはじまらないため、釜で撹拌しながら反応させるということ。ちなみに油の配合は、牛脂:パーム核(ヤシの種子から取れる油)が8:2くらいの比率を基本にしているそう。

 最初のジェット鹸化の行程で出来あがったものを別のタンクに移し、塩析(塩で洗い流す)作業を行う。これによって油の中の色や不純物、グリセリンを取り除き、石けん(ニートソープと呼ばれる、きんとんのようなペースト状のもの)だけを取り出すという流れだ。
 ここまでが常時90度以上の高温で行われているため、実際の稼働時の工場内は相当な暑さに。(見学時は製造ラインはお休みしていたのだが、それでもかなり暖かかった!) 反応から仕上げまで、だいたい4日間の行程とのこと。

 ちなみにこれが、最終的にニートソープを取り出す釜。最終的に塩水によって洗い流されたあと、水分と不純物は沈むため、上に残るニートソープをすくうのだが、これは数値化できない作業だそう。つまり、左官職人のように大きなへらを使い、色や粘度などを目視で確認。「これで完成」と判断した段階で取り出すという、まさに熟練職人の仕事。今でこそこうして見学させてもらえるが、昔は工場長と職人以外は立ち入り禁止、門外不出だったというのも納得!

 
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