東京・表参道のセレクトショップ、『Wut berlin』。流行だけにとらわれない力強い個性を放つこのショップが魅せるシーズンヴィジュアルは、ファッションの無限の可能性を示唆してくれるかのような “アート”そのもの。bntでは今回、その制作現場へと潜入した。
5月半ばのある日。『Wut berlin』バックヤードの壁は、さまざまなヴィジュアルイメージでぎっしりと埋め尽くされていた。これらは、バイヤー兼ディレクターであるYANN LE GOEC氏によって集められたものだという。
2013年AWに掲げるシーズンテーマは「NEW RELIGION」。そして今回制作するヴィジュアルコンセプトは、「FASHION IS MY GOD」。ヘアやメイク、ディスプレイを担当するクリエイターたちに対して、それ以上の細かなオーダーはない。これらの素材から“感じるままに表現してほしい”というのがYANNのやり方なのだ。
今シーズンで4回目の参加というヘアのAOKIさんにお話を伺った。
『シーズンテーマを、まずは自分なりに解釈する。そして解釈したテーマをヘアでどのように表現できるのかを検討する。それと同時に、自分が解釈したテーマとディレクターのYANN LE GOEC氏の描いているイメージとがどれだけシンクロできるか、それが重要です』。
YANN氏の世界観を表現することこそが、“Wut berlin らしさ” だと語るAOKIさん。ヴィジュアル制作の具体的な落とし込みのために、ラフスケッチなどを描くことはしないというのも興味深い。
『まずは「言葉」からイメージを広げるようにしているんです。テーマが決まったらノートにひたすらその「言葉」を書いて答えを探る。「言葉」にはいろんな感情やシチュエーション、行動などが派生するもので、空いている時間があればノートに言葉だけを書き綴っています。絵を描いてしまうと、それ自体が完成形になってしまい、自分のクリエイションにおいて限界点を作ってしまうと思うので、あまり絵を描くことはないんです』。
ノートを常に持ち歩き、たとえばミーティングなどがあれば30分前には出向いて、積極的に時間を作って言葉を綴る。それが作品の設計図になるのだそう。
バックヤードでのヘアメイクが進められるなか、ショップの営業終了時間である19:30を迎えると、空気が一変。閉店後の店内に、撮影セットが組まれるのだ。
まさに、降臨! >>>
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2013/05/29| TAGS: beauty
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