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KIREI FILE 16 久保友香

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「美」を体現するプロフェッショナルの方に、お仕事のポリシーからご自身の「美」に対するこだわりまでをインタビュー。今回は、美人をユニークな視点から研究している!? という、東京工科大学講師の久保友香さんにお話を伺いました。

 

ー久保さんの研究テーマは、「美人」ということですが、いったいどういうものなのでしょうか?
 テクノロジーの力を借りて、新しい「美」の基準を創り出せるのではないかと考えています。浮世絵の美人画のように、日本のデフォルメ表現の歴史を調査したり、企業や人物へヒアリングしてメディア技術の調査を行うことで、美人を作る技術のデータベースを構築して美人の基準を数値化し、美人を定量化する研究をしています。

ーテクノロジーを「美」に活かそうということですね。なぜそうした「美人の基準」の研究を始められたのですか?
 私は子どもの頃から、例えば「かけっこの速さ」とか「給食をちゃんと時間内に食べられない」とかのものさしで優劣を判断されたり、いつの間にか誰かが決めたものさしに沿ってなにもかもが決められていくことに違和感を感じて育ちました。特に女性にとっては生まれ持った素材やバランスですべてが決められてしまったり、努力が報われないのはおかしいと。転じて、美というものも、一体どこにものさし(基準)があるのかと考えるようになりました。
 例えば、日本人は西洋人の顔がいいと思う傾向にあると思います。だから、メイクも欧米寄りのものがもてはやされています。しかし、こうした美の価値観も時代とともに変異するんです。

ーアジアンビューティという言葉もすっかり一般的になりましたね。
 そうなんです。実は日本人には古来から変身の文化があります。歌舞伎の隈取りを例にあげるまでもなく、昔から日本人の生活にはそうした変身願望が根付いていると思います。そして、ギャルメイクだったり、デカ目メイクだったり、プリントシール機やコスプレ、ゴスロリなども日本人本来のクリエイティビティが生み出した新しい変身文化です。極端な例ですが半顔メイクが話題になったように。
 こうした変身は、日本人がもっとも得意としているところだと思います。

 

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