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14S/Sコレクション[A DEGREE FAHRENHEIT]

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深まる秋を前に、来シーズンのファッションが大集結! 華やかに幕を閉じた「Mercedes-Benz Fashion Week TOKYO 2014 S/S」。beauty news tokyo ではショーの「美」を支えるメイクアップやヘアの現場に密着。まずは10月15日(火)に開催された『A DEGREE FAHRENHEIT(エーディグリーファーレンハイト)』をレポート!

 デザイナー天津 憂氏によるブランド『A DEGREE FAHRENHEIT(エーディグリーファーレンハイト)』は、2010AWよりコレクションに参加。芸術的で感情面に訴える美を生み出し、素材やディテール、パターンへのこだわりを持った斬新なデザインで、常に着る者の『個人の価値』を高める洋服作りを目指しているという。

今回のシーズンコンセプトは「1652°F(900℃)“Volatilization”」……常圧のもとで液体が気体になることを揮発(Volatilization)といい、木材から揮発成分を抜いた「木炭」は、密閉した状態で加熱することで原型をほぼ留めたまま黒く炭化する。さらに高温で加熱し続けることにより、金属ほどの固さの「備長炭」へと変化。アルカリ性物質に変わり、通電性が高まる……この変化からインスピレーションを受け、デザインやパターンテクニックで表現したのだそう。

ユニークなシーズンコンセプトから生み出された今回のルックは、ほぼオレンジ!

ヘアのディレクションを担当したのは、ヘアスタイリスト・CHINATSUさん。今回のシーズンコンセプトからどのような発想に至ったのか、お話を伺った。

ヘアスタイリスト・CHINATSUさん

『“1652°F”という、揮発、炭化を経て金属の固さになるというテーマから、テクスチャとして“触ったら固いんだろうな”と思える質感、クリスピー的なものを意識して表現しました。洋服がアシンメトリーなものが多かったので、モデルさんによってはアシンメトリーにしたりなど、ブランドやメイクアップのみなさんとも相談しながら決めていきました』。

 デザイン性の高い衣装が多いなか、ロングの髪を衣装の中へ入れていたスタイルも印象的だった。

『シンプルに洋服を360度美しく見せたいと思ったら、髪なんて必要ない、髪で表現する必要があるのかな、という思いがあって。今回はアバヤを使ったエスニックな要素もありましたが、そこから出てきた髪がいきなり現代風になるのも、と考え、いい意味でハズしたかったんです。アバヤの中はどうなっているんだろうと空想をふくらませ、脱いだら普通の女性、なのではなくて、ちょっとハズれた女性。でも高級感のあるツヤを出した髪に、しっかりピンクのアイラッシュが効いた、独立心のある女性…そんな印象づけが出来ればと考えて作りました』

プロダクトとしては、“触ったら固そう”な印象を仕上げるために、ロレアル プロフェッショナルの「バランス3スタイリングムース エクストラハード」を使用。上品なツヤとホールド感が特徴の「テクスチャー エクスパート エアフィニッシュ」のスプレーも活躍。

素材やデザインこそ違えど、ほとんどのルックが鮮やかなオレンジ。そこへさらなる華やかなインパクトを添えるかのように、アイメイクにはヴィヴィッドなピンク、そして腕や手もとにボディペイントが施されたモデルも。メイクアップは松井里加さんがディレクションしている。

今回CHINATSUさんは『A DEGREE FAHRENHEIT』と共に、その直前に行われた『DRESSED UNDRESSED』の、連続する2ブランドのヘアディレクションを担当。準備段階を含め、当日も2つのバックステージを行き来するというハードワークだった。

『おかげさまで不眠です(笑)。しかし、ブランド毎に異なる2つのヘアサロンの方々にサポートしてもらい、それ以外に私がいつも一緒に仕事をしているチームメンバーにも入ってもらいました。彼らがいれば安心ですし、自分の動きも事前にしっかり打ち合わせをしておいたので、心配はしていませんでした。任せるところは任せて、チェックするところ、触らせないところなどを明確にしておいたので、滞りなくできたと思います』。

『A DEGREE FAHRENHEIT』のヘアスタイリングをサポートした「VIVIT」のメンバーと。

ユニークなコンセプトが導く『A DEGREE FAHRENHEIT』、非常にアーティスティックな仕上がりで観客を魅了した。

 

photo:Hiroshi Mashimo(Studio WINDS)

 

ショーの様子はコチラからもCHECK


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