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本当に痩せるの? 話題の【ダイエット漢方】その効果を薬剤師が解説

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理想のボディを手に入れようとダイエットを決心しても、毎日運動や食事管理をするのはなかなか難しいもの。そこで、いま「痩せる!」と話題を呼ぶ【ダイエット漢方】を採り入れてみようと考えている方は少なくないでしょう。厳密に言うと漢方薬は「痩せるための薬ではありません」。でも、痩せやすい体質をつくるお手伝いをしてくれます。

 

そこで今回は、ダイエットに向いている漢方薬とはどのようなものか、どういう働きをするのかなどを解説するので、ぜひチェックしてみてください。

 

|漢方はダイエットに効果があるの?

漢方薬は、本来体質改善を目的としており、ダイエットのためにつくられたものではありません。しかし、ダイエットの基本である食事や運動に漢方薬をプラスすることで、脂肪が燃焼しやすくなったり、冷えが解消されて血流がよくなったり、便秘が解消されたりします。これにより、痩せやすいからだへの体質改善をめざすことができるのです。

 

 

(1)ダイエットに漢方を採り入れる「メリット」

 

漢方薬は、不足しているものを補い、多すぎるものは取り除くなど、からだが本来持つバランスを整える働きをしてくれます。そのため、気・水・血の巡りをよくすることで、からだを潤し、栄養分を届け、代謝を上げることで痩せやすい体質に改善していくことができます。また、気・血・水をもとに個人の拮抗力や体力などを考慮した漢方薬を使うと、よりダイエット効果が得られやすくなります。

 

 

(2)ダイエットに漢方を採り入れる「デメリット」

 

ダイエットにおすすめの漢方薬はいくつかあり、配合されている生薬も異なります。その中から自分に合ったものを見つけるのは高度な知識が必要。間違ったものを使用すると、効果が出ないだけでなく副作用が生じることもありますし、基礎疾患や併用薬がある場合は併用が好ましくないものもあり、下剤などとの併用にも注意が必要とされています。

 

なお、漢方薬には即効性はなく、少なくとも数か月続ける必要があるため、長期間の服用が求められますし、体質に合っていない場合は2〜3か月服用しても全く変化が得られないこともあると言うことも頭に入れておきましょう。

 

|ダイエットにおすすめの漢方は?

 

漢方薬は、「水太り」「脂肪太り」「ストレス太り」などの症状に効果が認められており、ダイエット外来でも処方されています。ダイエットには、

 

・代謝を上げて、運動の効率をよくする

 

・水分の循環をよくして水太りを改善する

 

・脂肪の吸収を抑える

 

・脂肪燃焼をサポートする

 

・余分な脂肪を便と一緒に排出する

 

・自律神経を整えてストレス過食を防ぐ

 

といった作用のある漢方薬を個人の体質に合わせて選びます。漢方薬を使用するのは、太りにくく痩せやすい体質へ根本からの改善のが目的。一般的にダイエットにおすすめの漢方薬とされるのが、下記4種です。

 

・防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん):体力があり、おなか周りに脂肪がつきやすい人向きの漢方薬。脂肪の分解・燃焼を促進する効果や、脂肪の吸収をおだやかにする効果が期待できます。また、腸の働きを整えることで、便通の改善も期待できます。

 

・防己黄耆湯(ぼういおうぎとう):体力は中程度から虚弱で、色白で汗かきな人向きの漢方薬。水分代謝を促すことでからだにたまった余分な水を取り除き、水太りやむくみを改善します。

 

・加味逍遙散(かみしょうようさん):体力は中程度以下で、疲れやすく、肩こりしやすい人向きの漢方薬。「逍遙」とはぶらぶらすることを意味しますが、この言葉のように移り変わる女性の症状にも使われます。女性ホルモンバランスを整えることで精神不安の改善も期待できます。

 

・当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん):体力があまりなく、冷え症で貧血傾向のある人に向きの漢方薬。水分代謝を促すことで、むくみに働きかけるとともに、血行を整えることで冷え症も改善します。

 

これらの漢方薬の用途が異なるように、ダイエットに使用する場合も体質や症状によって選ぶ漢方薬は異なります。また、持病がある方は、服用中の薬剤との飲み合わせや相互作用などに注意が必要です。なお、どの漢方薬が自分に合うのかを見極めるためには、プロの力を借りるのがおすすめ。漢方に詳しい薬剤師が自分に合う漢方薬を見極めてくれる「あんしん漢方」などのオンラインサービスに相談してみるのもいいでしょう。

 

 

ダイエットとは、ただ体重が落ちればいいというものではありません。適度にからだを動かし、適正な栄養素とカロリーを摂取した上で、過度なストレスや緊張などのない健康な心の状態も必要です。そして、生活習慣を見直すだけでなく、内側からケアするために漢方薬の併用を検討してみてはいかがでしょうか? <薬剤師:相田 彩>


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