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20代30代に増加中。薬剤師が解説【若年性更年期】症状別の対策法

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「最近のぼせたり汗が止まらなかったりする」「イライラがおさまらない」といった症状でお悩みではありませんか? 今回は、20~30代女性に起こる【若年性更年期】ついて原因と症状別の対策法を解説します。

 

|若年性更年期とは

 

若年性更年期とは、20~30代の女性に更年期症状があらわれること。通常、更年期症状は40代以降の女性にみられますが、女性ホルモンが減少することによって20~30代の女性にもほてりやのぼせ、イライラなどの症状が起こることがあります。

 

 

(1)なぜ若年性更年期が起こるのか?

 

若年性更年期は過剰なダイエットや食生活の偏り、喫煙、アルコールの飲み過ぎなどによってホルモンバランスが崩れ、引き起こされます。また、仕事や人間関係のストレスにより自律神経が乱れ、ホルモンバランスに影響を与えることもあります。

 

 

(2)若年性更年期の受診タイミング

 

若年性更年期は、生活を見直すことで改善する場合もあります。ただし、症状がつらく生活に支障がある場合や、生理が3か月以上ない場合は早めに医師に相談しましょう。

 

|若年性更年期の改善方法

 

若年性更年期のおすすめの改善方法をご紹介します。

 

 

(1)気分の落ち込みやイライラの改善方法

 

若年性更年期による気分の落ち込みやイライラには、以下のような方法が有効です。

 

・十分に睡眠をとる:ストレスは悪化の原因となります。十分な睡眠やリラックスする時間を確保しましょう。

 

・適度な運動を行う:ストレスを軽減し気分を改善する効果があります。

 

・食生活に気をつける:健康的な食生活は、からだと心のバランスを整えます。ビタミンBやマグネシウムは気分改善におすすめです。

 

 

(2)生理トラブルの改善方法

 

生理トラブルが起こった場合には、以下のような方法が有効です。

 

・生活習慣の見直し:規則正しい生活を心がけ、食生活や睡眠を改善しましょう。適度な運動も大切です。

 

・サプリメントの摂取:女性ホルモンと似た働きをするイソフラボンを摂取することで、減少した女性ホルモンの働きを補います。ただし、飲みすぎは副作用リスクがあるため適量を守りましょう。

 

・医師の診療と診察:3か月以上生理がない場合は早めに受診しましょう。医師の診察のもと、正しい治療を行いましょう。

 

 

(3)頭痛やのぼせの改善方法

 

頭痛やのぼせが気になる場合には、以下のような方法が有効です。

 

・適度な運動を行う:運動は血中のエストロゲンを増やします。また、汗をかくことで体内の余分な熱を外に出すことができます。

 

・食生活の見直し:コーヒーやアルコールなど頭痛の原因になるものはなるべく控えましょう。

 

・温度調整を心がける:室内は涼しく保ち、衣服も薄手で通気性の良いものを選びましょう。

 

|漢方薬を取り入れてみるのもおすすめ

 

若年性更年期の症状でお悩みの方は、婦人科でも処方されている自然由来の漢方薬の活用もおすすめ。若年性更年期に対しては、「ホルモンバランスや自律神経の乱れを整える」「血行を良くし、子宮や卵巣の機能を回復する」といった効果を持つ生薬を含む漢方薬を選びましょう。

 

また、若年性更年期の原因となっている過度なダイエットやストレスなどにアプローチすることで改善をめざす場合もあります。なお、若年性更年期におすすめの漢方薬は下記の2種です。

 

・桃核承気湯(とうかくじょうきとう):滞った「血(けつ)」(栄養)の巡りを良くすることでからだにたまった熱をとりさり、月経不順、更年期障害に働きかけます。イライラやのぼせ、便秘にもおすすめです

 

・加味逍遙散(かみしょうようさん):「気(き)」(生命エネルギー)の巡りを整えからだの熱をさますことで精神を安定させ、更年期や月経に伴って起こるイライラや気分の落ち込み、のぼせ、ほてりに働きかけます

 

ただし、漢方薬は、自分の状態や体質に合ったものを選ぶ必要があります。最近ではオンラインで漢方薬のプロに相談できる「あんしん漢方」などのサービスもあるので、ぜひ利用してみましょう。

 

 

のぼせや頭痛、イライラなどに悩んだ場合は、生活習慣の見直しや漢方薬の服用などで改善をめざしましょう。ただし、それでも改善がみられない場合は無理せず、医師に相談するようにしてくださいね。<text:薬剤師・藤田 佑莉(ふじた ゆうり)>


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