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日本酒の多彩さを楽しむ。酒造メーカー【八海山】のお酒の可能性を広げる取り組みとは

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1922年(大正11年)の創業から100年。「八海山」で知られる日本酒メーカー八海醸造が発表会を開催し、新製品やアメリカの日本酒醸造所との資本技術提携、甘酒が機能性表示食品となるなど様々な取り組みを発表。また、会場となった東京・丸の内の「パレスホテル」では、今注目を集めている日本酒とのペアリング試食会も開催され、日本酒の可能性が広がるひと時となりました。

 

|八海醸造が取り組む多彩な味

 

会場の一画には、八海醸造が手がける様々な日本酒をはじめ、焼酎やクラフトビール、関連会社が造るウイスキーやクラフトジンなども勢ぞろい。発酵技術を活かした高保湿化粧品の開発など、多彩な事業を展開します。

 

▲八海醸造が手がける日本酒

 

▲100周年記念酒「八海山 百」 750ml ¥132,000 ※2023年9月後半より数量限定で販売

 

「百」の名を冠した数量限定の大吟醸酒は、氷点下3度で6年間の長期低温貯蔵をした逸品。最上級ランクの兵庫県三木市産山田錦を25%まで磨き、芳醇な香りや熟成感を楽しめます。

 

▲「麹だけでつくったあまさけ」シリーズ。2024年3月発売分よりリニューアル ※写真は専用ラベル商品

 

麹菌由来の食品では、初めて機能性表示食品になりました。原料に麹と八海山水系の極軟水だけを使った、ノンアルコールの健康飲料です。このあまさけに含まれる「麹菌HJ1株が腸内環境を整え、便通を改善する機能」と、「麹由来のグルコシルセラミドが肌の潤いを守るのを助ける機能」の2つの機能性表示の届け出が受け付けられました。 ※本品は、事業者の責任において特定の保健の目的が期待できる旨を表示するものとして、消費者庁長官に届出されたものです。

 

1日1本を目安に飲み続けると肌の潤いを保ち、腸内環境を整え、便通の改善も期待できるとのこと。女性にうれしい甘酒です。

 

|ニューヨークの酒蔵「ブルックリンクラ」と技術提携

 

日本酒を世界飲料として広めるため、2018年に創業したニューヨーク初の酒蔵「Brooklyn Kura(ブルックリンクラ)」と業務資本提携。八海醸造から蔵人が派遣され、2023年秋には共同で酒づくりが始まります。

 

▲ブルックリンクラの杜氏ブランドン・ドゥーアン氏(左)と、ブライアン・ポーレン社長 <画像提供:八海醸造>

 

▲日本ではまだ販売されていないブルックリンクラの日本酒

 

原料となる米は、アメリカのカリフォルニア州とアーカンソー州で生産される山田錦とカルロース米。ブルックリンの水で仕込まれます。

 

|日本酒と料理の組み合わせで、美味しさが倍増

 

会場になった「パレスホテル東京」では、近ごろ注目されている日本酒と料理のペアリングが行なわれ、日本酒の世界を広げる試みを体験することができました。

 

▲味の起承転結が楽しめる4種類のお酒と料理をペアリング

 

乾杯酒と言えばシャンパンが定番ですが、そのシャンパンと同じ製法で作られたスパークリング日本酒「瓶内二次発酵酒 白麹あわ 八海山」が登場。瓶内発酵で生じた炭酸ガスがキメ細かな泡を作り出し、焼酎で使われる白麹が生み出す爽やかな酸味やフルーティーな風味、それでいて八海山らしい淡麗辛口の飲み口を楽しめます。

 

▲シャンパングラスに注がれる「瓶内二次発酵酒 白麹あわ 八海山」。洗練されたボトルもデザインも見どころです

 

スパークリング日本酒に合わせたのは、スペインの冷製トマトスープ、ガスパチョ。ただし、京都産の赤万願寺唐辛子を加え、湯引きして香ばしく焼いた鱧や、コンソメスープで煮た加茂なすなど、日本の味に寄せた、爽やかな夏の味わいです。スパークリングの「白麹あわ 八海山」に、よく合いました。

 

▲「赤万願寺唐辛子とフルーツトマトのガスパチョ キャヴィア 焼き鱧と加茂なす」

 

2番目の料理に合わせたのは、八海醸造が理想とする浩和蔵で仕込んだ「純米大吟醸 八海山 浩和蔵仕込」。甘味と辛味のバランスがよく、旨味も感じられる最高の食中酒。さらにグラスは、このお酒を味わうために仏レーマン社と共同開発したオリジナルグラス「酒マスト」。香りを閉じ込め、グラスをぐっと上げて飲むことで、華やかな味わいが広がります。

 

▲「純米大吟醸 八海山 浩和蔵仕込」

 

脂ののったカンパチで食感のいい香味野菜を巻き、胡麻のソースでコクをプラス。端麗の純米大吟醸と胡麻の香ばしさがベストマッチする組み合わせです。

 

▲「カンパチの香味野菜巻き 胡麻醤油 酢橘 レモンバーム」

 

選び抜いた2種の酒造好適米、山田錦と五百万石を45%精米。まろやかな味わいの「大吟醸 八海山」に合わせるのは、メインディッシュとも言える一口サイズの洋風コロッケ「クロメスキ」。じっくり煮込んだ牛頬肉とじゃがいものマッシュポテト「パルマンティエ」を使い、お酒の味わいとトリュフの香りが互いに引き立つバランス感が見事です。

 

▲「牛頬肉とパルマンティエのクロメスキ トリュフのクーリ」

 

欧米では、食事の締めやデザートにブランデーやラム酒などの蒸留酒をたしなむ習慣がありますが、今回は焼酎「八海山本格粕取り焼酎 宜有千萬(よろしくせんまんあるべし)」と焼きおにぎりをペアリングする演出。酒粕の風味やほのかな甘い香りの米焼酎とあわせたのは、熟成した自家製の唐墨(からすみ)。ご飯に炒った唐墨を混ぜ、上には生の唐墨、その上に通常の干した唐墨がのって、3種の唐墨が競います。酒粕との相性がいいバターの風味も格別です。

 

▲八海山の本格米焼酎「宜有千萬」と「三種の自家製唐墨のひとくち焼きおにぎり」

 

 

日本酒だけじゃない、八海山の多彩なラインアップ。甘酒やクラフトビール、焼酎や梅酒はもちろん、八海山が長年磨き上げた淡麗辛口の世界観をさらに深化。あなたもぜひ様々な料理に合わせ、味の世界を広げてみてくださいね。<text&photo:みなみじゅん 問:八海醸造株式会社 https://www.hakkaisan.co.jp/100th/


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