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冬の島根で「松葉蟹」を満喫。【界 玉造】で味わう蟹づくしと美味しい地酒が堪らない

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山陰の冬の味覚といえば「松葉蟹」。出雲にほど近い星野リゾートの温泉旅館【界 玉造】では、多彩な味を楽しめる松葉蟹づくしを提供しています。さらに島根県は日本酒発祥の地とも言われ、美味しい地酒とともに満喫する松葉蟹ははまた格別。2024年3月9日までの提供です。

 

|星野リゾートの蟹づくし

 

3種類用意された松葉蟹コースのうち、今回いただいた「タグ付き活松葉蟹づくし会席」は、界玉造オリジナルの調理法「奉書蒸し」をはじめ、焼き蟹や蟹刺しなど、活蟹だけを使った冬の特別会席です。提供される松葉蟹は、鳥取の松葉蟹か隠岐松葉の2種類あって、水揚げの状況などにより異なります。この日は隠岐松葉をいただきました。

 

▲食事処からは竹明りのライトアップを楽しめます <画像提供:星野リゾート>

 

一品目は「蟹と寒鰤のお刺身」。新鮮でプリっとした蟹の身はとても甘く、旬の寒鰤は超厚切りで脂がのっています。界特製のちょっと甘味のある出汁醤油で、蟹と寒鰤本来の味を堪能しました。

 

▲最初の一皿「蟹と寒鰤のお刺身」

 

「タグ付き活松葉蟹づくし会席」では、個々の料理に合わせて選ばれた5種類の地酒を楽しめます。蟹刺しには出雲市にある板倉酒造の「天隠 純米大吟醸 佐香錦」を合わせます。島根県だけで栽培されている酒米「佐香錦」を島根k101酵母で醸造。蟹刺しのきめ細やかな甘味が引き立つやや辛口のお酒です。

 

▲タグ付き松葉蟹会席 日本酒ペアリングコース(有料)の「天隠 純米大吟醸」

 

ホッコリとした焼き蟹は口の中に旨味が広がります。そこへ酢橘を搾ると爽やかなアクセント。蟹の甲羅に入る蟹味噌は地酒をくわえて風味が抜群。蟹のほぐし身を濃厚な味で満喫しました。

 

▲「焼き蟹 酢橘」と「蟹の甲羅焼き」。ペアリングは李白酒造の「特別純米 やまたのおろち 超辛口」でした

 

蟹の足を1本使った揚げ物は、あえて衣を使わず、トルコで “天使の髪” とも呼ばれる細い糸状の「カダイフ」を巻いています。サクサクと繊細な食感に、蟹のほっこりとした味わいが加わる軽やかな一品です。

 

▲「蟹の錦糸揚げ」にペアリングしたのは簸上清酒の純米吟醸「七冠馬」

 

料理の後半に向けて気分を変える酢の物は「蟹と野菜のお浸し」。下から春菊、蓮根、蟹のほぐし身、菊花と重なった繊細な料理で、お酢の優しい酸味はお口直しにピッタリ。料理の起承転結のうち “転” となる一皿です

 

▲「蟹と野菜のお浸し」

 

「蟹の奉書蒸し」は、調理の前に蟹を見せてもらえるのですが、島根の伝統的な「かにかご漁」をモチーフにした船で登場。かにかご漁で獲れる隠岐松葉は、かごの中の餌を食べて眠っているところ捕獲するため蟹へのストレスが少なく味噌が甘いそう。

 

▲驚きの登場

 

松江藩主松平治郷が、漁師が焚火で焼いたスズキを所望したとき、灰がつかないように奉書紙(厚手の和紙)で包んで蒸し焼きにしたのが始まりと伝わる松江名物「スズキの奉書蒸し」。それをヒントに、奉書紙で蟹を包み、杉板とともに高温で蒸し上げた料理。旨みを逃がさず、杉の上品な香りとともに蟹の味を楽しめます。そのまま食べたり、レモンや蟹味噌と合わたり、思う存分いただきました。

 

▲松江の名物料理をヒントにした界 玉造オリジナル料理「蟹の奉書蒸し」

 

「蟹の奉書蒸し」には、島根県沖50キロに浮かぶ隠岐の島の蔵、隠岐酒造の「隠岐誉 純米吟醸」をペアリング。蒸し蟹の繊細な美味しさを邪魔しない淡い旨みと、キレのある酸味が料理に弾みをつけるお酒です。

 

▲蒸し物に合わせた「隠岐誉 純米吟醸」

 

島根県の特産品「石州瓦」を使った鍋にはしじみでとった出し汁が入り、たっぷりのしじみと蟹を満喫。

 

▲「蟹としじみの鍋」 <画像提供:星野リゾート>

 

お鍋に合わせた地酒は広島との県境に近い山間にある池月酒造の「誉 池月」。日本でも有数の軟水を仕込み水に使い、島根県だけで生産される酒米「佐香錦」を60%まで磨きます。ふくよかな香りと優しい旨味が、お鍋のスープとベストマッチです。

 

▲お鍋には池月酒造「誉 池月 純米 佐香錦 60 黒ラベル」

 

蟹としじみの旨味たっぷりのスープは、〆の蟹雑炊でただけます。どんなにお腹がいっぱいでも、スプーンが止まらなくなる美味しさ。蟹としじみのダブルエキスはまさに神。いえ、八百万(やおよろず)の神。たっぷり堪能いたしました。

 

▲まさに神「蟹雑炊」

 

最後に登場するのは酒粕のデザート。濃厚なチーズムースの上に、練乳と酒粕のソースを流し込み、底にはフランボワーズのソースが隠れる3層仕立て。そこへバニラアイスをトッピング。酒粕の風味が香るクリーミーなデザートでした。

 

▲「界 玉造特製 酒粕のデザート」

 

3月まで楽しめる松葉蟹の会席料理は、今回いただいた「タグ付き活松葉蟹づくし会席」のほか、「タグ付き活松葉蟹会席」と「ひとり蟹会席」を用意。このほか通年の「季節の会席」と春夏秋の「のどぐろとしじみ牛しゃぶの会席」があります。

 

|島根の朝を感じる朝食

 

地元の美味しい食材を使った朝食も、よく味わっておきましょう。のどぐろの干物や鶏つくねの杜氏鍋のほか、この日は県内産のリンゴジュースなど島根グルメが並びました。

 

驚くほど美味しいご飯は “東の魚沼コシヒカリ、西の仁多米(にたまい)” と言われる奥出雲町の地域ブランド米。唯一西日本で特Aを獲得した、ふっくらモチモチのお米です。もちろんお代わりしてしまいました。

 

▲地元の味が美味しい朝ごはん

 

高級魚として知られるのどぐろは、石川、長崎とともに、島根県も名産地。地元ではなじみの深いグルメだそう。仁多米との組み合わせは、幸せ気分いっぱいです。そのうえ干物のお皿は、古来より刀剣製作などで発展した出雲鍛造で作られた特注の鉄板に乗っています。

 

▲脂ののった「のどぐろの干物」

 

島根県のソウルフード「赤天」は、唐辛子が練り込まれたご当地練り物。朝からピリッと辛味があって、ご飯のお供になりました。

 

▲赤天と出汁巻き玉子

 

汁椀の「杜氏鍋」は、酒蔵で働く杜氏がお酒を絞った後の酒粕を鍋に入れたまかない料理が始まりと伝わります。日本酒発祥の地ともいわれる島根らしいメニューです。県内産の酒粕と味噌を使い、地鶏のつくねの旨味とともに酒粕の風味が広がります。多彩な栄養素が含まれる酒粕で、元気をいただく朝食でした。

 

▲地酒の酒粕が入る「鶏つくねの杜氏鍋」

 

活きのいい松葉蟹を奉書蒸しにしたりカダイフで揚げたりと、蟹の美味しい食べ方を提案する星野リゾートの温泉宿【界玉造】。島根の旬が並ぶ朝食とともに、冬の山陰だからこそ味わえる美食旅を満喫してみてくださいね。<text&photo:湯川カオル子 予約・問:界 玉造 https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/kaitamatsukuri/


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