丹後半島の付け根に位置する磯砂山(いさなごさん)は1300年前に編纂された『丹後国風土記』に8人の天女が降り立ったと記され、各地に残る羽衣伝説のうち最古の物語とされています。ランチコースは、「セントラーレ・ホテル京丹後」が羽衣天女ゆかりの京丹後市峰山町などの食材を使い、天女の神秘的で優雅な姿をイメージした8皿の料理です。
天橋立駅を出発すると前菜が運ばれます。メニューには羽衣天女と食材などの係わりが紹介されているので、ぜひ一読を。“天女の里” 峰山町で作られた蒟蒻の旨煮や、地元の「はごろも味噌」を使った粟麩田楽、天女のイメージにぴったりの “天使の海老” パラダイスプロンの旨煮、「香住蟹の水晶巻き エディフルフラワー 塩ポン酢ソース」など、羽衣を意識した品々が並びます。

▲一品ずつメニューを確かめながら味わいたい「前菜」
地上に降りた天女は酒造りに秀で、万病に効く “霊酒” と評判になったのだとか。車内販売のアルコールやソフトドリンクも、京都丹後鉄道沿線のご当地の品を用意。日本酒はワンショット¥400からとリーズナブル。料理とともに地元の味を楽しめます。

▲ドリンクの車内販売も行われます
京丹後に本社を置く丹後王国ブルワリーのクラフトビールも用意。「 TANGO KINGDOM Beer 」のマイスターは、丹後産コシヒカリを加えたまろやかな風味とスッキリとした苦味のラガービール。缶には丹後由良の荘園領主・山椒大夫に売られた姉弟、安寿と厨子王の安寿姫の絵が描かれています。

▲クラフトビール「 TANGO KINGDOM Beer マイスター」

▲車窓から見る天橋立
宮津駅を通過してほどなくすると、水平線に横一文字の天橋立が見えました。この日のお造りは、かんぱち、鰆、すずきで、醤油はセントラーレ特製醤油に地元の醸造所「小野甚」の醤油をブレンドして、絹のような羽衣をイメージした「泡醤油」です。
お造りを食べ終えたころ、くろまつ号は栗田駅に到着。40分ほど停車するので、料理を落ち着いて楽しめます。

▲「旬のお造里 三種盛り あしらい一式」
羽衣天女が最後に住んだと伝わる京丹後市弥栄町。近海で獲れた鰆を、弥栄町にある竹野酒造の酒粕を使った幽庵地に漬け込み焼き上げたひと品。口の中に焼栗の優しい甘さや魚の旨味が広がりました。

▲「鰆吟醸味噌幽庵焼き 竹野酒造の酒粕を使用 焼栗のグラッテ」
フワフワと軽やかな羽衣を東寺(湯葉の別名)で表現した一品。京都の高級食材とされるぐじ(甘鯛の京都名)を蒸し上げ、鰹出汁の効いた銀餡をかけてたっぷりのイクラとワサビを添え、山椒や柚子の風味が印象に残る逸品です。

▲「ぐじ東寺蒸し 銀餡掛け いくら 山葵 振り柚子」
メインディッシュは、丹後半島の先端近くにある碇高原牧場で、ビール粕で育てられたブランド牛「琥珀和牛」のステーキ。低温調理で火入れして炭火で炙った肉はとっても柔らか。醤油をベースにした九条葱のソースは香りがよく優しい甘み。地元で採れた付け合わせの野菜も味と歯応えがよく、和牛とともに満喫しました。

▲「京の肉「琥珀和牛」ステーキ ~九条葱と山椒のソース~ 低温調理にて」
「炊き込みご飯」は五穀豊穣の神として崇拝された天女にちなみ、もち麦を蓮の葉で包んで炊き上げました。プチプチの食感も楽しめます。一緒にいただいたお吸い物は、羽衣天女が天上界へと帰る幻想的なシーンをイメージ。上品な鰹出汁には三日月に見立てた玉子豆腐が浮かび、柚子の風味が後を引きます。

▲「蓮の葉蒸し もち麦入り季節の炊き込み御飯」と「清汁仕立て 三日月豆腐 南瓜 兎大根 口柚子」
|京都丹後鉄道屈指のビューポイント
14時10分ごろ海岸沿いを走ってきた列車は、日本海を見渡す奈具海岸で特別に停車。沿線で随一の絶景ポイントと言われ、真っ青な海と空、白い岩肌と松の緑が、美しいコントラストを描いています。
▲奈具海岸では15分ほど停車して景色を満喫
純白のチーズ “フロマージュ・ブラン” で作った白いプリンは、天女が絹の羽衣をまとう姿をイメージ。京丹後産の梨を使ったジュレと季節のフルーツをトッピングして、とても軽やかな味わいです。コーヒーは京都丹後鉄道のオリジナルブレント「丹鉄珈琲」をいただけます。

▲デザートは「フロマージュブランを使用した羽衣プリン 京丹後産梨のジュレ 季節のフルーツ」
|最大の醍醐味「由良川橋梁」
2025/09/28| TAGS: lifestyle
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