special reportスペシャルレポート

何度でも訪れたい魅力のイタリアン。【リゾナーレ那須】多彩な味が心に残るコースディナーとワイン

Twitter
LINEで送る

 

コースの序盤は9品の料理が木の棚を飾る「彩り豊かな小さな前菜」と、25種類のひと口野菜などがお皿を彩る「農園のピンツィモーニオ」が続き、まさにバラエティに富んだ多種多様な味を満喫。これほど多彩な味をそろえる料理は初めての体験です。

 

「彩り豊かな小さな前菜」は、上段にトスカーナ地方のパンとレバーソテーなどが並び、下の段の中央にあるガラスの器はパンをトマトで煮込んだ「パッパ・コル・ポモドーロ」。その左はアニスのリキュール・ぺルノー酒の泡をのせた「ハマチのインサラータ(サラダ)」。大きな白いスプーンにはリコッタチーズとカラスミを合わせ、手前にあるスプーンの形をしたガラスの器は伝統的な豚肉ソーセージ「ソプレッサータ」などなど。どれも素材を活かした自然な味わいに仕上げられていました。

 

▲9品の味を楽しめる「彩り豊かな小さな前菜」

 

上の段にはトスカーナ地方の塩を使わないパン「パネトスカーナ」のトーストが乗っていて、パブリカとホウレンソウの2種類の風味。左右に置かれた「鱈とじゃがいものバッカラマンテカート(鱈のすり身)」と「鶏レバーのソテー」をのせていただきます。特にレバーペーストをパネトスカーナに塗るクロスティーニはトスカーナ地方の代表的な料理です。

 

▲「鶏レバーのソテー」は「パネトスカーナ」にたっぷりのせていただきます

 

「彩り豊かな小さな前菜」にペアリングするのはトスカーナ地方のブドウ品種ヴェルナッチャを使った熟成ワイン「ORI ヴェルナッチャ・ディ・サンジミニャーノ・リゼルヴァ」。フレッシュな味わいが多彩な料理を引き立てます。

 

▲「ORI ヴェルナッチャ・ディ・サンジミニャーノ・リゼルヴァ’22」

 

「農園のピンツィモーニオ」はマスや生ハムのほか、金美人参や黒大根など色とりどりの野菜など25種類も使われ色鮮やか。ガラスの器に盛り付けられた野菜スティックは、収穫をするように手でつまみながらいただきます。塩とオリーブオイルのほか、バーニャカウダは火がともされ温められるので、香りが引き立ち香ばしさもプラス。野菜そのものの味やみずみずしさを満喫しました。

 

▲トスカーナ地方の野菜のサラダ「農園のピンツィモーニオ」

 

栃木県で品種改良された「ヤシオマス」には、黒オリーブのペーストや魚の皮目のチップが盛り付けられ、脂のりのいい上品な味。生ハムは目の前でスライスされ、フワっと柔らかで塩味も控え目。野菜と共に味わいました。

 

▲ヤシオマスと生ハム

 

多彩な味の野菜には、マルケ州で造られたロゼワイン「アッカディーア マルケ・ロザート2017」をペアリング。サンジョヴェーゼと5%ほどのラ・クリマが使われ、ドライな口当たりと果実の余韻は個々の野菜の味を邪魔しない組み合わせ。鮮やかな色あいはヤシオマスや生ハムにも色を合わせているそうです。

 

▲「アッカディーア マルケ・ロザート2017」

 

青森にある「奥入瀬渓流ホテル by 星野リゾート」のコースディナーでも美味しいパンに出会ったのですが、こちらのフォカッチャもよく味わっておきたい一品。最初のひと口はほぼ味がしないのですが、そのあと口に運ぶたびに甘味が増し、やがてほのかな甘味が恋しくなって手が止まらなくなる出来栄え。この後の魚料理には全粒粉のパンも提供されます。

 

▲しっかり味わっておきたい「フォカッチャ」

 

|味わいが深いスープとパスタ

 

ここからしっかりとした味わいを楽しめるスープとパスタが続きます。組み合わせるワインも徐々に個性が強くなりました。

 

「茸のズッパ(スープ)」はバターでソテーした3種類の茸に甘味のある白美人ネギを忍ばせ、泡立てたカプチーノ仕立。仕上げは客席でトリュフをスライス。運ばれた瞬間から香りが広がり、濃厚でまろやかなスープと共に、口いっぱいにトリュフの風味が広がります。

 

▲削りたてのトリュフが入った「茸のズッパ」

 

スープに合わせた白ワインは「ファミリア・オロ ヴェルナッチャ ディ オリスターノ」。イタリア・サルデーニャ島で3000年の歴史がある品種ヴェルナッチャ・ディ・オリスターノを使い、昔ながらの製法で造られた2013年製のヴィンテージ。樽で長期熟成された深みやコクは力強く、ドライでちょっとスモーキーなブランデーを思わせるニュアンスも。味わい深い茸のスープとよく合いました。

 

<

▲2013年の「ファミリア・オロ ヴェルナッチャ ディ オリスターノ」

 

トスカーナ地方では猪の肉もよく使われるのだとか。麺は太めの平打ちタリアテッレ。猪肉を使ったサルシッチャ(ソーセージ)と赤玉ねぎを合わせたトスカーナ地方伝統の “フラタッキオーネ” 風ソースに、ポルチーニ茸を絡めます。混ぜると具もゴロゴロ入っていて、パルミジャーノ・レッジャーノの豊かな風味と猪肉独特の旨みなど、奥深い味わいを楽しめます。

 

▲パスタは「猪サルシッチャと赤玉ねぎのタリアテッレ」

 

パスタの力強さにあわせた爽やかな果実味のある辛口の赤ワインは、地元の那須塩原市板室にある「石井ぶどう」で栽培された葡萄を使い、同じく那須塩原市の Y’s Vineyards(ワイズヴィンヤーズ) が造った「イタムローニュ ピノ・ノワール2024」。さり気なくご当地ワインも楽しめる演出が嬉しいですね。

 

▲那須塩原市で造られた限定ワイン「イタムローニュ ピノ・ノワール2024」

 

|メインで楽しむ魚料理と肉料理


前のページへ 次のページへ

1 2 3

border