夕食の後、義母が食器を洗ってくれていました。
流しから硬い音がして振り向くと、私のマグの縁が欠けています。
友人と旅行先でおそろいにした、大切なものでした。
思わず「あ、それ……」と声が出ました。
謝るより先に、ゴミ箱へ
義母は欠けた部分をちらりと見て、ひと言。
「古かったし、ちょうどよかったわね」
そして、足元のゴミ箱を開けたのです。
私は慌てて駆け寄り、「待ってください」と止めました。
手伝ってもらっているのに強く言いすぎたかも、と一瞬ひるみます。
それでも、マグから目を離せませんでした。
使っていたのは、私なのに
「欠けたし危ないでしょ」
義母の言い分は分かります。
でも、捨てるかどうかまで決められるのは、どうしても嫌でした。
「飲むのにはもう使いません。でも、どうするかは私が決めたいです」
すると義母は眉を寄せて、
「そんなに大事なら、しまっておけばいいのに」
大事だから、毎日使っていたんです
その言葉には、黙っていられませんでした。
「大事だから、使っていたんです」
自分でも驚くほど、はっきりした声が出ました。
義母は黙ってマグを台に置き、布巾へ手を伸ばします。残りの食器を洗う音だけが、台所に響きました。
義母が帰った後、マグを棚の奥へしまいました。処分するかも、別の使い道も、まだ決められません。
友人に写真を送ると、「あのお店、覚えてるよ」と返事がきました。
その一言で、やっと少し、肩の力が抜けたのでした。
※画像は生成AIで作成しています ※本記事は、編集部が取材した体験談をもとに、プライバシーに配慮して一部内容を編集・再構成しています
🌼「近くまで来たから」と連絡なしで訪ねてくる義母。在宅の仕事を中断していた私が、思い切って伝えたこと
2026/10/12| TAGS: lifestyle
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