実家での昼食の席。
結婚を控えたいとこが、式の準備について話し始めました。
「式場はもう決まった?」
私がそう聞いた、その直後でした。
母がいとこに向かって、こう言ったのです。
「失敗した人の話も、聞いてみたら」
「失敗した人」って、私のこと?
私は昨年、離婚しました。親戚も知っています。
でもその日、自分から話すつもりはありませんでした。
「何がうまくいかなかったか、参考になるでしょ」
母は悪びれもせず続けます。
いとこは困ったように笑い、私もグラスに目を落としました。
「今日は、その話はしないよ」
精いっぱいの返事でした。
「役に立つ話」なら、しなきゃいけないの?
「隠すことでもないじゃない」と母。
隠しているんじゃない。ここで説明したくないだけ。
「これから結婚する子のためになると思ったのよ」
私は箸を置きました。
善意のつもりなのが、いちばんつらい。
話すかどうかは、私に決めさせてほしいのです。
気を遣わせたのは、どっち?
食後、いとこが小さな声で「変な話になってごめんね」と謝ってきました。
謝るべきは、あなたじゃないのに。
いとこの結婚は、心から楽しみです。
でも「失敗した人」という母の言葉が、ずっと胸に引っかかっています。
誰かのお祝いの席のたび、私の離婚も一緒に思い出されるのでしょうか。
※画像は生成AIで作成しています ※本記事は、編集部が取材した体験談をもとに、プライバシーに配慮して一部内容を編集・再構成しています
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