彼が部屋に夕食を食べに来た日のこと。
帰り際、玄関で彼がふと言いました。
「今度さ、合鍵作っておいてよ」
付き合って3か月。私はまだ、渡すことを考えていませんでした。
留守の間も、入るの?
「仕事が長引いても、中で待てるじゃん」
便利でしょ、と言う彼に、私は鍵を握ったまま黙り込みました。
片づけ途中の日もあれば、1人で休みたい日もあります。
帰宅したら彼が先に部屋にいる。想像しただけで、落ち着かなくなりました。
「私がいない時に入られるのは、まだ抵抗があるんだよね」
「付き合ってるのに、ダメなの?」
彼は靴を履きかけたまま、私を見ました。
「付き合ってるのに、ダメなの?」
「付き合ってるけど、鍵はまだ渡したくない」
「何か見られたら困る物でもあるの?」
冗談めかした声に、言葉に詰まりました。
隠し事があるから断ったわけじゃない。
「そうじゃなくて。私がいない時に入れる鍵だから、渡したいと思えてからにしたいの」
彼は小さくつぶやきました。「そんなに考えることかな」
ドアを閉めて、思ったこと
「いつ渡すかは、まだ決めてないよ」
そう伝えると、彼はうなずいて帰っていきました。
ドアを閉め、鍵を掛けて、ふと思います。
さっきまで楽しく食事をしていたのに。
なぜ私は、”自分の部屋の鍵を渡さない理由”を、何度も説明していたんだろう——。
※画像は生成AIで作成しています ※本記事は、編集部が取材した体験談をもとに、プライバシーに配慮して一部内容を編集・再構成しています
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2026/10/30| TAGS: lifestyle
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