休日の午後、衣替えをしようとクローゼットを開けたBさん。夏服をしまい、秋冬の服を取り出していると、奥からベージュのジャケットが出てきました。
「あ、これ。まだ持ってたんだ」
数年前に少し奮発して買った、お気に入りの一着。当時は仕事にも休日にもよく着ていましたが、ここ数年は一度も袖を通していません。「もう着ないかな」と思って手放す服の山へ置こうとしたものの、なぜか手が止まりました。
「でも、高かったし。また着るかもしれないし……」
「いつか着るかも」と、今年も戻そうとしていました
試しにジャケットを羽織り、鏡の前に立ってみました。サイズが合わないわけではありません。でも、今よく着ているパンツやスカートに合わせると、どこかしっくりきません。
「前はあんなに好きだったのにな」
そうつぶやきながらジャケットを脱ぎ、ハンガーへ戻しかけたとき、ふと気づきました。去年の衣替えでも、同じことを考えていたのです。「まだ着られるから」と残したものの、結局一度も着ないまま、また衣替えの季節を迎えていました。それなのに、今年も同じ理由で残そうとしていたのでした。
手放せないのは、服そのものだけではなかった
ジャケットを手に取ると、買った日のことを思い出しました。仕事を頑張った自分へのご褒美に選んだ一着。少し背伸びして入ったショップで、何度も鏡を見ながら決めた服です。
「あの頃、これを着ると気分が上がったんだよね」
Bさんは、なかなか手放せない理由が少し分かった気がしました。今の自分が着たいというより、気に入って着ていた頃の思い出が残っていたのです。そこで、すぐに処分するのではなく、自分に問いかけてみました。
「これから、このジャケットを着て出かけたい場所ってあるかな?」
しばらく考えてみましたが、具体的な場面は浮かびませんでした。
「好きだった服」と「これから着たい服」は違う
Bさんはジャケットを丁寧に畳み、手放すかどうか迷っている服をまとめた袋へ入れました。すぐに処分すると決めたわけではありません。でも、何となくクローゼットへ戻すのは、今回はやめてみようと思ったのです。代わりに手前へ掛けたのは、今の自分がよく着るシャツとカーディガン。
「こっちの方が、明日も着たいって思えるな」
そうつぶやくと、少しだけ気持ちが軽くなりました。以前どれだけ好きだったかと、これからも着たいかどうかは、必ずしも同じではありません。思い出を大切にしながら、今の自分が着たい服を選び直す。そんな小さな見直しが、毎日の服選びを少しラクにしてくれるのかもしれません。<取材・文:beauty news tokyo編集部> ※画像は生成AIで作成しています ※本記事は取材に基づいて編集部が構成しています
2026/11/04| TAGS: lifestyle
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