―お仕事をする上で、タムジンさんが大切にしていること、心がけていることは何ですか?
「変化は可能」と信じること。
歴史を振り返っても、人は何かを変えたい時に行動を起こして、世の中をより強く、より良いものにしていくことを実現してきています。ですから、私も「変化は可能」ということを信じて行動したいと思っています。
実際には環境的にも社会的にも政治的にもいろんな意味で難しい事象がある世の中ですが、自分たちが行動することで、世の中はより良くなって行くはずだということを信じ続けること、そして人の力を信じ続けること、これが私自身の活動ポリシーになっています。
これまで実施してきたキャンペーンのように、事実を知らなかった人が事実を知り、事実を知った人が行動を起こし、目的を達成する。そんなキャンペーンモデルを今後もさらに作っていければうれしいです。
―現在LUSHで展開しているキャンペーン「WE BELIEVE IN LOVE」(~2014年2月14日)ですが、こちらはどのような内容なのですか?
このキャンペーンは性的マイノリティの方たちの人権をサポートするのがコンセプトです。特に、ソチ五輪で世界中の注目が集まっているタイミングで、反同性愛を掲げているロシアに対して行うキャンペーンです。
今回のキャンペーンでは、「ピンクトライアングル」を身体に描いてもらい、この上向きのトライアングルを身体に描いて撮影した写真に“#signoflove”のハッシュタグを付けてSNSで発信することがキャンペーンのアクションになります。
このキャンペーンによって、ロシアのLGBTの当事者に世界中の人たちが支援しているんだというサインにもなりますし、世界中の人々が連帯することで社会をより強いものにして行くことにもつながるはずです。

「ピンクトライアングル」は、ナチス政権下で収容所に収容されていた人の中で同性愛者を区別するために使用されていたマーク。当事者には下向きの三角形のマークを描かれ、周囲から迫害を受けてたと言うが、現在ではLGBTの権利のシンボルとなっている。
とは言っても、このキャンペーンはロシアだけをターゲットにしているわけではありません。例えば日本には、LGBTそのものを差別する法律はありませんが、「LGBTの当事者が自分らしく生活できているか?」という課題があると思います。今回のキャンペーンを通して、ロシアだけでなく、LUSHが展開する各国でも「どんなセクシャルアイデンティティがあってもいいんだよ」というメッセージを発信していきたいと思います。
*profile*
Tamsin Omond(タムジン・オモンド)
UK LUSH / Head of Global Campaigns
環境活動家としての経験を活かし、2012年1月より現職。世界約 50 か国に展開するLUSHのグローバルキャンペーンを統括。これまでに、化粧品における動物実験反対や、気候変動問題に対するキャンペーンを実施。
photo:Hiroshi Mashimo(Studio WINDS)
text :beauty news tokyo
2014/02/01| TAGS: beauty
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