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モンゴルと熱中症

【思考をキレイにする旅の仕方(385)】モンゴルと熱中症

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モンゴルで一度だけ熱中症にかかったことがあります。

 

当時、病院で診断を受けたわけではないので、正確には熱中症の「疑い」。

 

筋肉の痙攣、吐き気とおう吐、頭痛などの症状がありました。

 

 

首都ウランバートルからワゴン車で10時間近く走り続けた時のことです。

 

同じ10時間でも高速道路のような路面ではなく、舗装されていない凸凹の道路で過酷な旅でした。

 

車は、ずっと揺れっぱなし。

 

編集者、科学者、経済アナリストと不思議なメンバーで移動し、

 

最初は「揺れるねぇ~」、「キレイだねぇ」などとはしゃいでいたのですが、

 

1時間もしたら車内は無言になり、みんな窓の外をぼーっと眺めるだけ。

 

 

ウランバートルから少し離れると、すぐに地平線まで草原の風景が延々に続きます。

 

空に雲でも出ていれば、「ゴリラの顔に似ているなぁ」など妄想できますが、雲一つない晴天でした。

 

ロケ地モンゴルの映像が話題になったドラマ「VIVANT」の風景そのもの。

 

美しいのですが延々に続くと飽きてしまうんだよなぁ。

 

 

いつしか私は眠りに落ちました。延々と。「よく寝るなぁ」と周囲があきれるくらい。

 

 

私は乗り物の中で眠る時間も好きなのです。

 

そして、目覚める度に、同じ風景を確かめ、モンゴルのウォッカを一口飲んで、また眠りました。

 

ウォッカでなく、水を飲んでおけばよかったのにね。

 

こうして窓ガラスに頭をつけて寝ているうちに具合が悪くなってしまいました。

 

 

濡れたタオルで首を冷やされ続け、その日は、夕食も一切食べることができず、ゲルに到着後も、延々と眠り続けたのです。

 

おかげさまで、1日ですっかり具合はよくなりましたが、

 

帰りのワゴン車では、首の後ろをタオルで覆い、太陽が当たらないように眠っておりました。

 

「それでも寝るんかい!」とからかわれながら。

 

以来、熱中症には気をつけるようにしています。<text:イシコ


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